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スマホ依存と先延ばしの関連

皆さんは,1日にどれくらいの時間,スマートフォンに触れているでしょうか。海外の調査によると,スマホの使用時間は平均2時間51分で,1日に47回デバイスをチェックすると推定されており,スマホを持つ人々の8割は起床または就寝前1時間以内にスマホをチェックするとも言われています。

いや,「それ以上触っている」という人も多そうなのですが。



依存

スマホの電源を切ったり,スマホが自分の周囲から離れると強い不安や恐怖心に襲われる人がいます。日常生活の中でスマートフォンを手放すことができず,日常生活や勉学や仕事に支障が生じるようになると,スマートフォン中毒やスマートフォン依存と判断されます。ただしここではいろいろな言葉が用いられていて,携帯電話依存とか,問題のあるスマートフォン使用とか,似たような現象が他の表現で研究されることもあるので要注意です。

これもある調査によると,今では10歳までに大半の子どもたちがスマートフォンを所有しており,56%が週に3回以上,深夜0時以降にスマートフォンを使用しているということです。

スマートフォンを過剰に使用することは不安や苦痛を増大させ,抑うつ的になりやすく,スマホ依存になると認知機能が低下して日常生活に支障をきたしやすくなるとも指摘されています。

先延ばし

個人の行動として,ネガティブな結果が生じる可能性を無視して課題への取り組みを後回しにすることを,先延ばしといいます。わかっているのに課題に取り組まないという点で,「不合理な遅延」と呼ばれていたこともあるそうです。先延ばしは一般に,不快なこと,疲れること,やりがいのあることが,報酬の遅延に関連する場合に生じるとも言われます。

学業,さまざまな課題,就寝時間など,多くの場面で先延ばしが現れてきます。特に,学業に関する先延ばしは学校場面でよく観察されることから,よく研究されています。大学学部生の70%から85%が先延ばしを経験しているという報告もあります。

日常生活の中では就寝時間の先延ばしもよくある現象です。これは。正当な理由なしに意図的に就寝時間を遅らせることを意味します。これはスマホの利用に大きくかかわってきそうですよね。

関連

では,スマホ依存と先延ばしの関連は,実際にどの程度あるのでしょうか。メタ分析によって両者の関連を検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(The relationship between smartphone addiction and procrastination among students: A systematic review and meta-analysis)。

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