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強みの発達

VIA-ISと呼ばれる心理検査があります。これは”Values in Action Inventory of Strength”の省略で,「強み」と呼ばれる24の心理特性を測定するものです。この24の特性は,個人内で安定しており,トレーニングによって変化の可能性があり,個人にとっても社会にとっても利益のある,ポジティブで道徳的にも価値のある心理特性だとされています。

いわば,「よりよい人」であるための心理特性といった感じでしょうか。以前にもこの強みについては記事を書いたことがあるのですが,おおよそ次のような内容で構成されています。全体で6つ領域に分かれていて,細かく24の特性が設定されています。

◎知恵と知識領域
1. 独創性,2. 好奇心・興味,3. 判断,4. 向学心,5. 見通し,
◎勇気領域
6. 勇敢,7. 勤勉,8. 誠実性,9. 熱意
◎人間性領域
10. 愛する力・愛される力,11. 親切,12. 社会的知能
◎正義領域
13. チームワーク,14. 平等・公平,15. リーダーシップ
◎節度領域
16. 寛大,17. 謙虚,18. 思慮深さ・慎重,19. 自己コントロール
◎超越性領域
20. 審美心,21. 感謝,22. 希望・楽観性,23. ユーモア・遊戯心,24. 精神性

強みの発達

これら強みは,「可鍛性がある」とされます。つまり,トレーニングや教育や介入によって伸びる可能性があると考えられているというわけです。

また,生活している社会や文化のなかでこれらが望ましいとされるのであれば,年齢を重ねるほど強みが伸びていくという可能性も考えられます。つまり,集団で見たときに,年齢が上がっていくほど,平均値も上昇していくと考えられます。

では,実際に平均値の上昇は見られるのでしょうか。強みの年齢変化をメタ分析で検討した研究がありますので,こちらの論文を見てみましょう(Cross-sectional age differences in 24 character strengths: Five meta-analyses from early adolescence to late adulthood)。

https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/17439760.2021.1871938

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