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ダークな性格は性欲の高さに関連する

割引あり

ダーク・トライアドという概念が提唱されたのは2002年の論文(Paulhus & Williams, 2002)なのですが,21世紀に入った頃,Hoganらも同じような日常的な逸脱を導くパーソナリティに注目していました。特にHoganらは,リーダーなど特定の個人が仕事の中でなぜ逸脱的な行為を行うのかを理解しようと試みています。



性欲

ダークなパーソナリティに関する文献の中では,人間の性的な行動や性欲に関する言及が数多くなされています。とはいえ,研究によってその取りあげられ方には大きな違いがあるのも確かです。

性的な関係性や性欲,また浮気や略奪などに関連するソシオセクシャリティについての研究は,ダークなパーソナリティの文脈でよく見られます。

ポルノ利用

現在,世界的に見てもポルノサイトは巨大化しており,多くの利用者が(表だってはいなくても)いることは明らかです。

ポルノの使用は,性欲の代理的な行動としても注目されています。ひとりで行う性的な処理は,社会的な行為よりも制約されにくく,ダークなパーソナリティとの関連でもよく研究されています。特に,ナルシシズムの高さはポルノ利用との間に関連が見られることがいくつかの研究で報告されています。一方でマキャベリアニズムは,リベンジポルノの利用に特に関連するという報告もあるようです。サイコパシーに関しても,ポルノ利用との関連は複数の研究で報告されていますが,結果は一貫しない面もあるようです。

テトラッド

近年,マキャベリアニズム,サイコパシー,ナルシシズムにサディズムも加えて,ダーク・テトラッドの枠組みで研究が進められることが増えています。これまで,この枠組みで性欲との関連が検討された研究は数は少ないのですがあります。その研究によると,ナルシシズムとサディズムが性欲を予測していました。研究数が少ないので,より大規模な調査が望まれています。

カナダのブリティッシュコロンビア大学の学生たちを中心に,ダーク・テトラドと性欲との関連を検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Sex drive among the Dark Tetrad)。

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