見出し画像

退屈さがポルノ視聴に結びつく

世界では,どのようなサイトがアクセスを集めているのでしょうか。ウェブサイトの上位ランキングのページ(上位ウェブサイトランキング)によると,1位から順に次のようになっています。

1位:google.com
2位:youtube.com
3位:facebook.com
4位:twitter.com
5位:instagram.com
6位:baidu.com
7位:wikipedia.org
8位:yandex.ru
9位:yahoo.com

と,ここまできて,第10位には,サイトがランクインしてきます(xvideos.comです)。第11位がwhatsapp.comですので,いかにアダルトサイトが世界中でアクセスを集めているかがよくわかるランキングになっているのではないでしょうか。ちなみに第12位と第14位もアダルトサイトです。

ポルノを利用する理由

人びとがポルノを利用する理由として,これまでにいくつかの理由が挙げられてきています。

◎性欲を高める
◎性的パフォーマンスを高める
◎社会的また道具的な理由
◎関係性や感情的なスキルの欠如から
◎特定のパーソナリティ特性(ダークな特性など)
◎快楽的な娯楽活動
◎気分の管理や苦痛の対処として

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックのなかでは,行動制限がかかり自宅待機命令が出された国で,ポルノ消費が増大したという研究結果もあるそうです。


退屈さ

日々の退屈さは,何を生み出すのでしょうか。「実存的逃避仮説」とも呼ばれるような説があるそうです。

この仮説によれば,退屈というのは人生の意味に対する実存的脅威にあたるそうです。そしてこのような脅威を経験すると,人びとは知覚された無意味さから逃避するために,なんらかの活動を選択する可能性があるということです。退屈さという無意味さへの脅威が生じると,現在の意味が失われている状態の自分と,なんらかの意味のある自分との間の差が認識されます。この不一致が,無意味さからの逃避を生じさせ,その逃避行動の一つが「快楽」を伴う行動をすることだというのです。

要は,「退屈さは性に関連する行動への欲求を生じさせる」という仮説です。

では実際に,退屈さはポルノグラフィーの使用頻度を高めるといえるのでしょうか。この関連を検討したこちらの論文を見てみましょう(Pornography consumption as existential escape from boredom)。

ここから先は

913字

¥ 100

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?