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自己コントロールは何パーセントが遺伝か

やりたいことがあったり気になることがあるときでも,しなければいけないことに集中して取り組むことはできるでしょうか。私自身,最近は注意が散漫になりがちで,なかなか長い時間を何かに集中することが難しくなりつつあるのではないかと思っているのですけれども……。

いろいろな定義があるのですが,「必要のない衝動や行動を内的・外的基準と一致させるために変化させる能力」のことをセルフ・コントロールや自己統制といいます。

このセルフ・コントロールは,勉強や仕事に集中したり,実際に成果を挙げることを予測する心理的な特性としても知られています。


育てることはできるのか?

実際の生活の中で何かの役に立つとなると,このセルフ・コントロールを伸ばした方が幸福な人生を歩むことができるのではないかと思えてきます。

では,子育てや教育の中でこの心理的な面をどれくらい伸ばすことができるのでしょうか。逆に考えると,「どれくらい遺伝から影響を受けるのか」がわかれば,どれくらい生まれてから変化していくものなのか,なんとなくの感覚が得られるかもしれません。

セルフ・コントロールは何%くらいが遺伝で,何%くらいが環境の影響を受ける者だと予想するでしょうか?

その前に,一卵性の双子のセルフ・コントロールは,どれくらいの相関係数があると思うでしょうか。「完全に同じ(相関係数1.0)」?それとも「無関係(相関係数0.0)」?どうでしょうね。


どれくらいの遺伝率なのか

では,実際に調べてみましょう。セルフ・コントロールの遺伝率はどれくらいなのでしょうか。過去の研究を集めてメタ分析を試みた,こちらの論文をチェックしてみます(The heritability of self-control: A meta-analysis)。

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