性的な経験が早い若者の性格タイプは何か

中学生のとき,クラスメイトが自慢げに自分自身の性的な体験を語ってきたのを,ふと思い出してしまいました。それは今回紹介する論文を目にしたからなのですが……。

自分の中学時代というのは,1980年代の荒れた中学の時代が収まった頃です。

荒れた中学というのは,尾崎豊の歌詞にある「夜の校舎 窓ガラス 壊して回った」みたいなことがリアルに頻繁に起きていた時代です。自分が通った公立中学校でも,廊下をバイクが走っていたとか,ガラスがどれだけ割られたとか,教わった体育の先生が(荒れた状態を何とかしようとしたのかもしれませんが)暴力行為で新聞沙汰になったとか,そういった嵐が過ぎ去った直後くらいに入学したのでした。

嵐が過ぎ去ったとはいえ,そこに待ち構えていたのは管理教育というものでした。

教師は竹刀や長いモノサシをもって校内を歩いています。宿題を忘れればビンタをくらうとか,竹刀やモノサシで叩かれるとか,男子は全員丸坊主で少しでも伸びると職員室に呼び出されてバリカンで頭を刈られるとか,女子も呼び出されて髪の毛を切られるとか,そういうことが本当にあったのが中学時代の経験です。小学生のころは将来学校の先生になるのもいいかなと思っていたのですが,中学時代を経験して「教師になるのだけはやめよう」と誓ったのが当時の自分でした。

そんな管理教育の中ですが,荒れた時代の残党のような一団がいました。今で言えば「今日から俺は!!」みたいなイメージです。

授業中にふと窓からグラウンドを見ると,髪の毛を染めたクラスメイトが金属バットをもって教師を追い回していた姿を今でも覚えています。なぜか彼がいるクラスには身体の大きな男子が集められているという噂もありました(自分も野球部で身体は大きいほうだったので同じクラスになりました)。

そして,そういうクラスメイトが,冒頭のような話をしてくるという経験です。皆さんには,そういう思い出はありますか?(ないか……学校によるでしょうね)

特性と類型

さて,突然話は変わるのですが,ビッグ・ファイブ・パーソナリティは特性論と呼ばれるパーソナリティの記述方法です。これは,5つのそれぞれのパーソナリティ次元をものさしのように見て,それぞれを得点で表現することをイメージしてもらうとよいと思います。

そして,この5つの次元を組み合わせると,パーソナリティの3つのタイプが見いだされます。それは,レジリエンス(適応的なタイプ),オーバーコントロール(衝動を過剰に抑制しがち),アンダーコントロール(衝動的)という3つのです。これを,パーソナリティのプロトタイプと言ったりします。なんとなく,学校で暴れている中学生はこの「アンダーコントロール」をイメージさせます。

縦断的な研究で検討

思春期・青年期の性的な活動とパーソナリティのプロトタイプ(レジリエンス,オーバーコントロール,アンダーコントロール)との関連について,1年半にわたる縦断的なデータから検討している研究があります。なかなか貴重な検討にも思えますので,ちょっと見てみましょう。この論文です(On Early Starters and Late Bloomers: The Development of Sexual Behavior in Adolescence Across Personality Types)。

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