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ダークな性格に関連するものたち

割引あり

21世紀に入ってから,パーソナリティのダークサイドの研究が数多く行われてきました。このきっかけになったのは,1997年に公開された適性検査のHogan Developmental Survey (HDS)と,2002年に公表されたダーク・トライアドのアイデアだったそうです。


問題

ダークな特性は機能不全的で歪んだ考え方を反映しているのでしょうか。また,自分の仕事を阻害して問題を引き起こすのでしょうか。Hogan Developmental Surveyでは,キャリアを阻害する特性としてダークなパーソナリティを捉えています。

しかし,ダークなパーソナリティがさまざまな指標とどのような関係にあるのかについては,明確な知見が得られているわけではありません。性別や年齢とはどのような関係があるのでしょうか,宗教や政治的信条とはどのように関連するのでしょうか。自己イメージや他のパーソナリティ特性との関連はどうでしょう。

3つ・4つ・5つ

ダークなパーソナリティの大半の論文は,マキャベリアニズム,サイコパシー,ナルシシズムの3つの組み合わせであるダーク・トライアドに焦点が当てられてきています。しかし近年,これらにサディズムを加えたダーク・テトラッドの研究も増えています。さらに最近では,スパイト(悪意)も加えたダーク・ペンタッドという枠組みの研究も行われています。

職場の性格

今回紹介する研究では,職場でよく見られる適応的なパーソナリティ特性との関連が検討されています。どうやら,ヨーロッパではよく使われるものなのかもしれません。

◎勤勉性:自己起立性,計画性,まじめさ,衝動を抑える傾向
◎適応性:神経症傾向の低さ,感情的な回復,気分の安定性とポジティブさ
◎好奇心:新しい考えや経験,状況に関心をもつこと
◎勇気:ネガティブな感情や脅威を目の前にしたときの感情と戦い,軽減する
◎曖昧さ耐性:不慣れで不調和な状況の処理と反応
◎競争性:勝利への意欲

その他,さまざまな自己評価についても検討し,ダーク・テトラッドとの間の関連が検討されています。では,こちらの論文を見てみましょう(Correlates of the Dark Tetrad)。

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