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かわいい写真に惑わされやすい性格

割引あり

態度は「認知」「感情」「行動」の3つの成分からなる,というのは,心理学の教科書によく書いてあることです。考えていくとなかなか難しい概念ではあるのですが,いくつかのポイントはありそうです。

◎対象:態度は何かに対してもたれるもの
◎概念:態度は直接的に目にすることができないもの
◎評価:態度は好き・嫌いやよい・わるいといった評価をもたらすもの
◎学習:態度は生まれつきというよりは学習されるもの

などなど。考えていくと条件が出てきそうです。


評価条件づけ

「よい」「わるい」といった態度は,生活の中で身についていくものです。そして,態度を形成するひとつの方法として,評価条件づけ(EC)があります。

評価条件づけとは,ある刺激がポジティブまたはネガティブな刺激とほぼ同時にされると,その刺激に対する好意度が変化することを指します。このプロセスは,生活の中のさまざまなものに反映されているのではないでしょうか。

人の顔は,かわいい仔犬の写真と一緒に示されると,好ましく感じられるようになるものです。一方で,恐ろしい写真と一緒に示されると,否定的に評価したくなってしまいます。実際,何の関係もなくてもそうなってしまうものなのですが,かわいい子犬を飼っている人を見ると,ついつい微笑ましく思ってしまうのも想像できるのではないでしょうか。

性格による調整

では,このような条件づけには個人差はあるのでしょうか。そして,性格によって学びやすい人とそうではない人,というのはあり得るのでしょうか。

たとえば,神経症傾向の高い人は刺激に敏感ですので,条件づけにも敏感かもしれません。では実際に顔写真を示して評価を求めている研究を見て見ましょう。こちらの論文です(Is Evaluative Conditioning Moderated by Big Five Personality Traits?)。

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