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認知的フュージョンとマインドフルネスと

割引あり

今この瞬間に判断せず何かに気づき焦点を当てることを,マインドフルネスといいます。もともとは東洋の瞑想に由来していて,それをテクニカルに応用したものと言えるでしょう。

マインドフルネスは「実践」であるのですが,日常生活の中でマインドフルネス的な状態になりやすい個人差特性としてのマインドフルネス傾向も研究されています。



認知的フュージョン

認知的フュージョン(認知的融合;Cognitive Fusion)という概念があります。アクセプタンス・アンド・コミットメント・セラピー(ACT)と呼ばれる心理療法に由来する概念だそうです。これは,思考や認識,自分自身と現実が混同されて融合されてしまうような現象で,思考と現実の区別が曖昧になることを指します。頭の中で考えることを現実だと考えてしまい,強く影響を受ける状態です。

認知的フュージョンは,広く心理的柔軟性の中心的な部分に位置します。現在経験していることにオープンになり受け入れる柔軟性につながると考えられています。

認知的フュージョンは,抑うつや不安などの精神的不健康状態と関連しており,ネガティブな情動を抑制する要因になります。

マインドフルネスと認知的フュージョン

マインドフルネス,認知的フュージョン,ネガティブな情動という3つの要素は,どのように関連を示すのでしょうか。また,そこにビッグ・ファイブ・パーソナリティはどうかかわるのでしょうか。

これらの変数間の関連を検討した研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Cognitive fusion and personality traits in the context of mindfulness: A cross-sectional study)。

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