極端な政治的態度とダークな性格

皆さんは，どのような政治的な態度を持ち合わせているでしょうか。与党を支持しますか？それとも野党を支持しますか？また，野党の中ではどのような方向性の政党を支持するでしょうか。どちらかというと右派より？左派より？もっと社会の中でいろいろなことをコントロールするべきだと思いますか？それとも，もっと自由にするべきだと思いますか？弱者をもっとサポートすべき？それとも結果も自己責任だと考えるべき？

性格と政治

パーソナリティ特性が政治的な態度や行動に関連するというのは，古くから多くの文献で示されています。海外では，特に開放性と勤勉性に関して，よく取り上げられます。

◎保守派・右派：勤勉性が高く開放性が低い
◎革新派・左派：開放性が高く勤勉性が低い

このような組み合わせです。他にも，協調性が高い人は政治的左派の意見に共感しやすいという研究とか，協調性が高い人は政治的抗議行動に参加する傾向が低いなどの傾向が報告されています。政治への関心については，外向性の高さが関連するという研究結果も報告されています。

保守か革新か

海外の研究では，ものすごくシンプルに「右派か左派か」「保守か革新か」「コンサバティブかリベラルか」という左右の対立軸で自分がどのくらいの位置にいるか，という測定方法で政治的な志向性を測定されることが多い印象です。でも実際には，きっともっと複雑ですよね。

3つの態度

今回紹介する論文では，次の3つの極端な政治的態度に焦点を当てています。

◎ポリティカル・コレクトネス＝権威主義（PCA）：身体的・心理的安全に関心を抱く
◎ポリティカル・コレクトネス＝リベラリズム（PCL）：不利な立場にある集団の表向きの社会的・感情的障壁を取り除くことを主張する
◎白人同一主義（WI）：白人のアイデンティティ，連帯，白人の被害者意識

ポリティカル・コレクトネスは，基本的には社会における不快感を避けて特定の集団に不利益を与えないようにしたいという願望によって特徴づけられます。どちらのポリティカル・コレクトネスも思いやりのある動機が背景にあり，リベラリズム方向の方が思いやりが強い傾向があります。一方でポリティカル・コレクトネス＝権威主義を持つ人は，イデオロギー的目標の達成には攻撃や権力が必要だと考える傾向があります。

白人同一主義は，ポリティカル・コレクトネスとは対照的に，白人のアイデンティティ，連帯，白人の被害者意識に強い関心を抱きます。これは，白人としてのアイデンティティとも異なりますし，確立され宅建医を盲目的に信じる右翼的権威主義とも異なります。

ダーク・パーソナリティ

今回の研究では，これらの比較的極端な政治的な態度と，マキャベリアニズム，サイコパシー，ナルシシズムのダーク・トライアド，そして自分が特別だという感覚を抱く特権意識との関連を検討するものです。実際にどのような関連が見られるのでしょうか。

では，こちらの論文を見てみましょう（The Dark Triad traits predict authoritarian political correctness and alt-right attitudes）。

The Dark Triad traits predict authoritarian political correctness and alt-right attitudes