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心理尺度をつくるときのサンプルの大きさは?

調査をするときに,こんなことが言われることがあります。

◎サンプルサイズ(調査対象者の人数)は,項目数の10倍が必要

とはいえ,これって色々なことが言われているのです。

◎サンプルサイズ(調査対象者の人数)は,項目数の5倍が必要

とか。

実際はどうなのでしょうか。

10倍だと

ひとつの質問項目につき10人の調査対象者が必要だと言うことは,10項目の尺度を作成するときに100人,30項目の尺度を作成するときに300人の調査対象者が必要だと言うことになります。

10項目で構成される自尊感情尺度やTIPI-J(日本語版Ten Item Personality Inventory)の場合,100人への調査で十分,ということになってしまうのですが,さすがにこれではサンプルサイズが小さすぎるのではないでしょうか。

尺度構成の手順

今回は,次の論文の中から,尺度を構成するときのサンプルサイズの問題を扱った部分を見ていきましょう。この論文では,一通りの心理尺度を作成する手順と注意点がまとめられています。尺度構成というのは,あまりはっきりと手順が示されていない部分も多くありますので,こういった論文は貴重です。

では,こちらの論文を見てみましょう(Best Practices for Developing and Validating Scales for Health, Social, and Behavioral Research: A Primer)。

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