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メディアに触れすぎると抑うつ的に

割引あり

うつ病は,世界的に見ても,歴史的に見ても,非常に一般的な精神疾患のひとつです。抑うつ状態は,個人が窮屈に感じたり,自責感に苛まれたり,落ち込んだりする心理状態のことを指します。これが続き,重症になり,生活にも支障が生じてくると,うつ病と診断されることになります。


蔓延

現在,世界中で3億人以上の人々がうつ病で苦しんでいるそうです。また,2030年までに,うつ病は世界最大の社会的な疾病の負担をもたらすのではないかと推測されています。

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は,多くのうつ病を引き起こしたのではないかと推測されているそうです。中国では,流行の初期段階の封鎖措置と統制が多くの人々のうつ病を引き起こしたと報告されていますし,最前線で働く医療従事者も最大レベルの心理的苦痛を引き起こしたとされています。

COVID-19の流行は,人々がメディアに接する時間を増やし,精神衛生上の問題を示すことにもつながりました。何がうつ病をもたらすのか,危険因子として何が存在するのかを検討することは大きな意義があります。

パーソナリティ

メディアの利用が,直接的に抑うつ傾向につながるのかどうかが問題です。今回紹介する研究では,ビッグ・ファイブ・パーソナリティが間を取り持つ役割を担うのではないかと仮定されています。

確かに,ビッグ・ファイブ・パーソナリティは,メディアの利用にも抑うつ傾向にも関連します。しかし,間を取り持つような役割は実際に示されるのでしょうか。では,こちらの論文を見ていきましょう(The influence of media use degree on public depressive symptoms: mediating role of big five personality)。

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