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すっきりを求める人のパンデミック対応

問題に対して明確な答えを求め,曖昧さを嫌う傾向のことを,認知的完結欲求(cognitive need for closure)といいます。認知的完結欲求が高い人は,物事の曖昧さを嫌い,ほんの少しの情報が与えられるとそこから一気に決断を下してしまうという傾向があります。

また,認知的完結欲求が高い人は,いったん知識が形成されると,次からはその知識が固定化されてあまり変化しない傾向にもつながります。

パンデミック下の情報

コロナウィルス感染症(COVID-19)のパンデミックの間に,人々のストレス,不安,抑うつ傾向の増大が見られていることが多くの研究で報告されています。

これらの原因には,いくつもの要因があります。

◎病気の発症の脅威
◎経済的不安
◎教育の変化
◎日常生活の混乱

などなどです。

不確実さ

パンデミックの中,多くの不確実な情報が流れています。

そのような中で,不確実性に耐えることが難しい人々,耐えようとしない人々にとっては,曖昧な情報ばかりにさらされていくことは,大きなストレスや不安へとつながると予想されます。

実際にそのような傾向が見られるのかどうか,パンデミック2年目(2021年3月~4月)に,大学生を対象に大規模な調査を行った研究があります。こちらの論文を見てみましょう(Need for cognitive closure predicts stress and anxiety of college students during COVID-19 pandemic)。

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