いじめに関連する性格はどれか:リアルないじめとネットいじめ
次のそれぞれの文章について,どれくらい「自分に当てはまる」と思いますか?だいたいで良いので答えてみてください。そうですね,回答は「全くあてはまらない」と思ったら1点,「どちらでもない」と思ったら3点,「まったくその通りだ」と思ったら5点,くらいにしておきましょうか。
◎他の人どうしが争っているのを見ると,わくわくする
◎他の誰かをからかって,うろたえる様子を見るのが楽しい
◎自分をイライラさせる人間にいじわるをしてやりたい
どうでしょうか。何点くらいになりそうですか?
サディズム
先ほどの質問項目は,本当にこの概念を測定する項目ではなくアレンジしたものですので,あくまでも参考程度にしてもらえればと思います。しかし,おそらく得点が高くなる人,たとえば10点を超えるような得点をつける場合には,そのような傾向がある程度強そうです。
その特性というのは,サディズムです。
他人が苦しむ様子をみて楽しんだり,他人の苦痛を見て興奮したりするような傾向のことです。もしかしたらサディズムの強い人は,MMA(総合格闘技)で痛そうな場面を見るのが好きだったりするかもしれません。また,もしかしたらスプラッタ映画のような,人を痛めつける描写のあるような映画を観るのが,ちょっと好きだったりするかもしれません。
ネット荒らし
そして,このサディズムはネット荒らしと呼ばれる行動にもよく関連することが知られています。ネット荒らしとは,ネット上で意図的に他の人を挑発したり,争うや感情的な反応を引き起こしたり,コミュニケーションの分断を引き起こそうとするような行動のことです。
ネット上で,ちょっと面白半分で刺激的な書き込みをしようと動機づけられることがあるかもしれません。しかし,そのようなことを好んでするような人というのは,どうもサディズムが強い傾向にあるようです。
いじめとパーソナリティ
実際のいじめや,ネット上のいじめ行為に,どのようなパーソナリティが関連しているのかを調べた研究があります。この論文(Which personality traits are related to traditional bullying and cyberbullying? A study with the Big Five, Dark Triad and sadism)です。
調査に参加したのは1568名の,16歳から21歳の若者たちでした。ビッグ・ファイブ・パーソナリティ(外向性・神経症傾向・開放性・協調性・勤勉性)やダーク・トライアド(自己愛・マキャベリアニズム・サイコパシー),サディズムの尺度に回答しています。
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