宗教を信じる心と性格との関連は国によって変わる
宗教を信じることは,パーソナリティ特性に関連するのでしょうか。日本ではどれくらい研究がされているのか,よく知らないのですが,世界中の研究を検索すると,多数の研究が行われていることが分かります。
とはいえ,どうも全体的に関連は小さく,ビッグ・ファイブ・パーソナリティのレベルだと明確に安定した関連があるというわけでもなさそうな印象です。
その一方で,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの下位次元(ファセット)レベルで見た場合には,外向性,開放性,神経症傾向のファセットが宗教性に関連する傾向があるようなのですが,これも先行研究を見るとあったりなかったするそうです。
普通だと,この「あったりなかったり」という結果を見て「不安定なんだな」とか「明確じゃないんだな」とか「じゃああまり意味がないのかな」と思ったりするものかもしれないのですが,研究者というのはいろいろなことを考えるものです。
国によって違うのでは
そんなに関連が不安定なのは,国や文化によって関連が違うからではないかと考えることができます。だったら,思いっきり大規模なデータで検討してみてはどうだろうかという研究がされてもおかしくありません。もちろん,そんな大規模なデータがあればですけれども。
じゃあ,もしも世界90カ国以上の人々が参加した200万人以上のデータがあったらどうします?やっぱり,分析してみたくなりますよね。というわけで,そういう研究をのぞいてみましょう(Big Five facets and religiosity: Three large-scale, cross-cultural, theory-driven, and process-attentive tests)。
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日々是好日・心理学ノート
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