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繊細な人は夢を思い起こしやすい

みなさんはよく夢を見るでしょうか。将来の自分の理想の姿という夢ではなく,夜寝ているときに見る夢のことです。次の選択肢から選んでみてください。

◎全く見ない
◎月に1回未満
◎月に1回程度
◎月に2~3回程度
◎週に1回程度
◎週に数回
◎ほぼ毎朝

多の人が夢を見るのですが,その体験のあり方には大きな個人差があります。夢に関しては,これまでにもいろいろな研究が行われていて,頻度についても調査眼されています。おおよそ平均すると,多くの人は週に1回くらい夢を見るそうです。しかし,ほぼ毎日見る人から,ほとんど見ない人まで,大きな個人差があります。


夢の頻度に関連するもの

夢の想起頻度に関しては,知能指数(IQ)など認知的な側面は,これまでの研究ではほとんど関連しなかったそうです。その一方で,パーソナリティ特性については,関連する傾向があるようです。

たとえば,ビッグ・ファイブ・パーソナリティの中では,開放性の高さが夢を見る頻度に関連することが報告されてきています。夢をよく見ることが,好奇心の高さ,内省する傾向,想像力,創造性などにつながることを示唆します。


感覚処理感受性

パーソナリティ特性ともよく関連するのですが,認知的な特徴にも関連すると考えられる,感覚処理感受性(Sensory Processing Sensitivity)についてはどうでしょうか。感覚処理感受性は,刺激を受け取る敏感さを意味する言葉です。

また感覚処理感受性は,HSP(Highly Sensitive Person)の背景にある要因とされています。

HSPには,3つの要素が含まれます。

◎易興奮性(Ease of Excitation):状況によって左右されやすい
◎低感覚閾(Low Sensory Threshold):強い刺激に対する感受性の強さ
◎美的感受性(Aesthetic Sensitivity):美や音楽に心を動かされやすい

では,実際に夢を見る頻度とHSPとの関連はどうなるでしょうか。こちらの論文を見てみましょう(Dream recall frequency and sensory-processing sensitivity)。

https://psycnet.apa.org/record/2022-19037-001

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