アイデアーその①
これはぼくが暗黒時代の軽トラ・フランチャイズ期において、配送ストップになる4日前に契約を切られた会社に実際に提出した案だ。
この案は、契約は急に切られたが、この提案により、仕事をつなげることができるかも知れない、そんな思いから作成に至ったのだ。
その時、日本は第一回緊急事態宣言が発令された直後であった。
日本国民全体がそんなの経験したことがなかったので、正体不明の未確認のウィルスの恐怖に脅され、みんな家に引きこもるという結果となった。
その結果、レストランなどの外食産業に肉を卸していたぼくの契約先は、当たり前のごとく、街に人手がなくなったことにより配送量が激減し、それに対応するようにぼくなどの出入りの配送業者を急に切った。
でも、ぼくはこの国の宣言により、外食産業の肉の需要が急激に下がったことを鑑みて、さらにはコロナという伝染病という背景も考慮に入れ、では、その会社の近くにあるマンモス団地にこれらの市場から余った肉を販売に行けばいいと考えたのだ。
その会社は定期的に月1回、余った肉を近所のひとに安売りするセール日を設定していたのだが、そこに目をつけたのだ。
月1回、定期的に工場内にて販売すれど、宣伝などしていないから、毎月それほど集客も多くはない。
もともとこれを見て、近くのマンモス団地などにチラシの投函でもすればいいのにと、ずっと考えていたのだ。
その卸の会社の近くには、奇しくも2つもの大きなマンモス団地があり、そこにぼくは集客の目を付けたのだ。
そのマンモス団地とは高島平団地と光が丘団地である。
高島平団地は5万人。光が丘団地は3万人。計ー8万人の顧客である(笑)
そこにチラシ投函しただけでも、その月1回のセールは大行列になると思っていたのだが、それを実行しようとしたのだ。
でも、時代は先述したようにコロナでみんな家に引きこもっている・・・。こんな時期にセールをやるよ、なんて、チラシ入れたって、コロナが怖くて買いに来るひとなどいないだろう。
では、売りに行ってしまえばいい、ということで、まずは移動販売を考えてみたのだ。
が、調べるに、移動販売をする場合、移動販売する車に決められた衛生器具などを取り付けたものが必要で、当たり前だが役所にそれらの届けと許可が必要だという。
車の改造にもかなりな時間と経費が必要だし、役所にその許可を得るにもやはり時間がかかる。
ではそこをどうクリアするか・・・
まずはじめに、それらの団地にチラシを配りに行く。
そのチラシの内容はこうだ。
この日に肉を配達に上がるので、ご注文はこちらのお電話にてお受けします・・・
ようは、自宅まで肉を配送しようというアイデアだ。
幸い工場にはコロナで仕事が暇になり、余った人材がたくさんいる。チラシの配布や肉の販売に至ってはそれらの人員を向ければいいだけの話だ。
そして、これを継続的に行い、コロナが落ち着いた暁には、配達はなくし、月1回の通常のセールには戻るが、それまでにそれらの団地ではその会社の宣伝ができている(信用ができている)ので、いままで以上の大きな集客が予想される、と、そういう内容だ。
これだったら、チラシの制作費くらいで後はコストもほとんどかからず、しかも、すぐに8万人相手に大商売できるので、もしかしたら、レストランに卸しているよりも売上が見込めるかも知れない。
しかも、コロナでみんなスーパーとかも行きたくない状態である。
さらには同業者に至っても、コロナをどう生きていこうか、という矢先だったので、それらの市場を独占的に席巻できる絶好の機会である。
それをAmazonみたいに電話一本で自宅まで届けるんだから、ぼくからしたら、超好景気を期待した企画であった。
で、それを早速、企画書にまとめ当時の営業部長に渡し、ぼくが契約終了(4日後)するまでの間、検討することをお願いした。
答えは、不採用。
理由はわからんが、たぶん、当時はパニックで、頭が真っ白な状態になってしまっていたのだろう。
で、ぼくは結局そのまま契約を切られ、フランチャイズの会社と喧嘩をし、その後、その仕事を廃業したのだった・・・。
ま、そんな過去はどうでもいいんだが、この間、たまたまテレビを見てたら、この会社を取材したニュースが流れていた。
聞けば、一般利用者に対する小売店を作ったようで、それが品質が良くてしかも安く販売してるので、地元民、他県、含めて好評であるという。
その特集では当時の社長と例の部長が、さも自分達で考えたかのような下手な会議の演技をしていたが、その基本を考えたのは、何を隠そう、このぼくなのだ。
ま、コストのかかることなので、実店舗の設置までは考えてなったけどね。でも、ぼくのアイデアであれば、無店舗でさらに売上倍増ですから。
ざんねん👍(ギター侍より拝借)