見出し画像

私たちは食べたもので出来ているvol.10#120

皆様、こんばんは。
佐伯です。

毎週土曜日は食について様々な角度から検証していく連載を始めたいと思います。
私は仕事柄、様々な食品に関わることがあります。
一つの製品に生産者様やメーカー様のこだわりや信念など、様々な思いが込められております。
これが製品の美味しさや健康への配慮、地球への配慮など様々な面でも思いが反映されています。

本日は「とやま会議」と言う富山県をより面白く魅力的にするための会議に出席していました。

とても刺激的で「どうすれば街(地元)が良くなるか」と言う自分の課題解決のため一歩前進しました。
詳しい内容はまた、週明けにまとめて記事にします。

今回もう1つ収穫がありました。
それは食の安全・安心に関する意見交換を生産者(農家さん)、製造者(食品メーカー社長)、販売者(私)で色々と議論できたことです。
限られた時間だったので深くまで議論できませんでしたが是非、また皆で集まり日本中の人々が安心・安全な食品を口にでき、添加物についての知識を持って納得して加工品を購入することができるかを議論したいと思いました。

今日の議論の中で面白い話題があったのでご紹介したいと思います。
それは「和食が消滅する未来」についてです。
それでは詳しく掘り下げてまいりまうs。


①出汁の味が分からなくなる未来

和食は世界中で人気の料理です。
有名なのは寿司屋、すき焼きなどですが和食の本流は出汁を使った素材の旨味を活かした調理法だと思います。
この出汁と旨味は密接な関係です。
和食では鰹節、椎茸、昆布から旨味成分を煮出します。
冷静に考えるとカツオも椎茸も昆布もそれだけで食べれるのですが、わざわざ出汁だけ取っているところが和食の深いところだと私は考えます。

さて話は戻りますが、この旨味こそ手間が掛かりますが和食の美味しさの源流です。
ですが忙しい現代人は毎日の料理に手間をかけていることができません。

また、所得が低くなったことで鰹節、椎茸、昆布をそれぞれ用意するのは割高に感じる方も多くなりました。

そんな中、救世主の様に登場したのがだしの素です。
実は旨味とは科学的に解明されています。
旨味の主な成分は、アミノ酸の一種であるグルタミン酸、核酸の一種であるイノシン酸やグアニル酸などです。
実はこれを人工的に作り出すことが可能なったことが日本の食卓を劇的に変化させました。

しかし、あくまでも人工物です。
細やかな味の違いや季節や旬によって変化する食材の旨味までは再現できません。
四季のある日本で味覚は文化、とりわけ食文化や美術・工芸に大きく影響を与えています。
これが年中同じ味になると細やかな変化を感じ取る和食の良さが失われてしまうという危機です。

②食育の重要性について

食育(しょくいく)は、正しい食生活や食に関する知識・技術を身につける教育のことを指します。
これには、バランスの良い食事の取り方、食材の選び方、食事の作り方、食事を通じたコミュニケーションの大切さ、食文化の理解など、食に関わる広範な知識とスキルが含まれます。
食育の目的は、健康の維持・向上はもちろん、食を通じて豊かな人間性を育むことにあります。

しかし、食育自体そこまで浸透しているとは言い難いですし、仮にクローズアップされても栄養面ばかりにフォーカスが当たっています。
ですが、食育はフィジカルな側面だけでなく文化面での理解や知識の得ることがとても重要なのです。
なぜなら食とは生きるための根底の欲求であると同時に文化であり、それぞれの国や地域で独自の食文化が育まれています。
極端な話をすれば戦国時代では茶の席で互いの文化性を競い、欲しい茶器を手に入れるため戦を起こす大名までいました。
食とは人間が進化し文化を育む重要な要因であることは間違いありません。

③アイデンティティとしての食を大事にしよう

どこかの国を語る時、話題にですのは食の話です。
インドではインド料理、イタリアではイタリア料理と各国に独自の食の体系があります。
そしてそれらを「食文化」と呼び私たちは互いに尊重し合っています。

食とは文化であり、文化とは国の基礎です。
フランス人がフランス料理に誇りを持っているように、私たち日本人も和食に対し誇りを感じています。

暴力による競い合いではなく、文化による競い合いです。
そして切磋琢磨し、現代には新しい創作料理が生まれています。

このまま和食が失われて良いのでしょうか?
私は絶対に回避すべきことだと思います。
その為にも食育を通じて和食と日本食の文化性、そして現代における添加物との上手な付き合い方をたくさんの人々に知ってもらう必要があると思います。

私に何ができるか、深く深く考えて行動したいと思います。
それでは皆様、ご機嫌よう。

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?