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6人の所長を成長させたブロック長の管理・指導術。

 担当エリアを牽引したブロック長として、優秀ジュニアマネージャー賞に輝いたのはヒューマンライフケア株式会社の黒田 有歌さん。「授賞式の会場が大阪だったので、タレントの上沼恵美子さんみたいな感じで笑いをとりにいきました」というスピーチは、会場を爆笑の渦に巻き込みました。

ヒューマンライフケア株式会会社 在宅営業本部 西日本第1エリア  ブロック長 /黒田 有歌さん

—上期優秀ジュニアマネージャー賞受賞、おめでとうございます。
 
 ありがとうございます。担当するブロックの所長さんたちのおかげです。私は何もしていなくて、みんなに発破をかけていただけ(笑)。今回、私のブロックから3人の所長が受賞対象に選ばれたんですが、彼らの喜んでいる顔を見て、賞が仕事のモチベーションとエネルギーになっていることをあらためて感じました。

—普段は、どのようなお仕事をされていますか?
 
 大阪市内や吹田、寝屋川、八尾など、大阪府内の6拠点を巡回し、それぞれの施設やスタッフの管理をしています。受賞した上期の担当は5拠点でしたが、下期から1つ増えて6拠点になりました。必要とあれば現場での介助から訪問営業もこなしています。
 
——特定のデスクは持たず、日々ちがう拠点に出勤されているのですか?
 
 そうです。私は管理職である一方、拠点の一員でもあります。拠点を巡回することで、各拠点のスタッフの顔もよく見えるし、問題点があればすぐに所長と話もできる。各拠点をバランス良く回るわけではないですが、どの拠点にも少なくとも月に2〜3回は出勤するようにしています。ときどき、明日どこに行ったらいいのか自分でもわからなくなったりしますが(笑)。

表彰式でのスピーチの様子

——各拠点の所長には、どのようなタイミングで声をかけていますか?  

 普段から拠点に足を運んでいるので、何か問題がありそうなときは、所長に相談される前に私も予想ができています。そこで先回りして所長に声をかけ、このような手を打ったらどうでしょうと、こまかく指示するようにしていました。そうしたことを繰り返しているうちに、所長たちも自ら早めの対策を練るようになっていきました。

——指導で心がけていることは?

  所長は全員男性で、年齢層は20代から50代。それぞれ個性が異なるため、その方に合わせて伝え方を工夫しています。共通するのは、「I message」(アイメッセージ)を大切にしていること。私はいま、このような状況で困っている、悩んでいると正直に伝えると、相手も同じ目線で考えてくれます。 
 福祉は感情労働とも言われますが、それは対利用者さまだけでなく、スタッフ間でも同じだと考えています。あとは、よく褒めるように心がけています。
 でも、実際は厳しいですよ。私は相手のしっぽをつかまえるタイプですから。逃げようとしても逃がさない。ここに座りなさいとお説教を始めたり(笑)。

——お仕事でうれしいことは?
 
 各拠点で良いことがあったとき、所長たちがいち早く教えてくれるんです。電話でそれを伝えられるのは、すごくうれしいですね。すかさず褒めるので、相手も喜んでくれる。私が所長だったときも、良いことがあったときはスタッフとハイタッチしてお祝いしていました。いまは6拠点を担当しているので、お祝いの回数もぐんと増えてきました。
 所長をはじめ、スタッフの成長を見られるのもうれしいものです。この上期で、大きく成長した所長がいるのですが、まさに「化けた」という感じでした。その方は猪突猛進タイプというか、自分の得意なことはスピード感を持ってやるけれど、それ以外はおざなりにしてしまう傾向があったんです。他の拠点の例を挙げたりしながら指導したら、だんだんすべての仕事に注力してくれるようになりました。
 この人は伸びると、最初から私は信じていたんです。もともと木の幹は太くできあがっていたところに、この半期でたくさんの枝を伸ばして、葉っぱが一気に茂ったような思いでした。
 
——お仕事で大変なことは?
 
 各拠点のトラブルは所長に任せていますが、それでも収まりきらず、私が対応することもあります。最初は小さな火種だったトラブルも、私のところまでくると中火くらいになっている。仕事とはいえ、それを消火するのはやっぱり大変ですね。

 ——ストレスはどのように解消していますか?
 
 息詰まったときは、営業に出かけるようにしています。新しい利用者さまにヒューマンライフケアの施設をご案内して、「それじゃあ利用してみよう」と選んでいただけるとうれしいですし、何より気分転換になってスッキリするんです。
 それから私は会社の了承を得て、外部で成年後見人の仕事をしています。そこで得た知識やスキルを、社内にフィードバックしているんです。そんなふうに別の世界を持つことでも、リフレッシュして本業に取り組めています。
 
——お仕事のモットーは?
  
 私の中の正義を守ることです。例に挙げると、利用者さまに対して虐待の芽があるとしたらそれは絶対に許しません。もちろん当社に限ってそんなことはありませんが、ケアの選択肢として本当にそれが最善なのかは常に意識させるようにしています。
 入社して間もない頃に社会福祉士の資格を取ったのも、その権利擁護にシンパシーを感じたことがきっかけでした。社会福祉士の使命のひとつである権利擁護とは、利用者の生活と利益を守る活動のこと。それこそが、仕事をする上でいちばん大切にしている私の指針です。
 
——今後の目標を教えてください。
 
 利用者さまが、より健やかに長生きできるお手伝いをすること。それが私のやりがいです。これまでの仕事を通じて、そんな私の思いに共感してくれる所長やスタッフがたくさんいます。そういう人たちをもっと増やしたい。そして、その思いをいろいろな拠点に広げてもらえたらうれしいです。


※2023年10月に取材した内容に基づき、記事を作成しています。
 肩書き・役職等は取材時のものとなります。

<ヒューマンライフケア株式会社・会社概要>
ヒューマンライフケアは介護保険法施行前の1999年より介護事業を展開、現在では全国でデイサービスやグループホームなど各種介護事業所を展開しています。


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