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選手の言葉や行動の変化が私のやりがいだから。|7月8日〜7月14日

はじめに

コメラ!(Be Strong!)

3ヶ月ごとに派遣先の連盟に対して、報告書を作成しているのですが
盛り沢山な内容かつ、伝えたいことがうまくまとまらず悶々と作業しています!笑

気分転換で日記を投稿します〜!

さて、今週もスタート!


7月8日|3部練習の日々が始まる。

シニア1,2,4,5の生徒は帰省し、長い、長すぎる夏休みが始まった。
シニア3,6の生徒に関しては、ナショナルエグザムに向けて、この期間は学校に残り勉強に取り組む。

この夏休みの期間は陸上競技のコーチングに集中できる!

私の夏休みのスケジュールは、以下のとおりだ。

5時半〜 シニア選手のパーソナル指導
8時〜 U16の選手たちの指導
15時半〜U20の選手たちの指導

U16の選手たちは、大会を通じて出会った。
少し離れた地域のプライマリースクール2校と協力して育成を進めている。
いずれかは、活動先の学校で学び、暮らしながら、育成していきたいと考えていて、
彼らのナショナルエグザムの結果次第ではあるが、現地コーチとともに、校長へ話し合いをしに行く予定だ。

U20の選手たちは、近隣校で行ったタレント発掘を通じて出会った。
近くとはいっても、家から練習場所まで往復1時間半の距離。
毎日時間通りに来てくれている彼らには本当に感謝している。

スキマ時間では、家事をして、3ヶ月ごとに陸上競技連盟に提出している報告書を作成したり
帰国後に向け研究計画書など入試準備をしている。

なんだかんだ充実している。

大会の日程が決まらない、トレーニングキャンプの日程が決まらないなど
悶々と考えながらも、目の前の選手たちと向き合って練習できる日々を大切に
過ごしていこうと思う。


- 夜は大好きな映画みたりして過ごしています -

7月9日|「コーチ、11秒で走りたいんだ。」

私がルワンダで活動をする前。
クラブに所属していた15歳の男子短距離選手がいる。

一度クラブを離れたのだが、5月に行われた大会をきっかけに
クラブに戻ってきて、陸上競技を再開した。

クラブを離れた理由は、彼の家庭環境や現地コーチの高圧的な指導とか、とにかくいろいろあったよyだ。

寡黙な彼は、自分では言わないが、
実は陸上競技がとても大好きだ。

練習が休みの日に、友人を連れてきて、競技場で自主練習をしていたり。

練習が始まる30分も前から競技場にいたり。

自分の練習メニューが終わったあとに「サポートしたい。」と女子選手の引っ張り役になってくれたり。

彼の行動や言動から、陸上競技好きなんだな!ということが伝わってくる。

その様子を見るたびに、ニヤニヤしそうになるのをおさえて、私は鼻の下伸ばしてしまう(笑)

練習後、帰り道を一緒に歩いていると
「コーチ!」と彼から呼ばれた。

彼から話しかけられるより、話しかける方が多いので
とても驚いた。

「僕は11秒台で走りたいんだ!」と。

いきなりの目標宣言!

「走れるよ!走れる!」

私が考えるコーチの役割は、選手の目標に対して導くこと。

彼は10秒で走るポテンシャルがある。
また、200mや400mとオールラウンダーな選手にもなれると私は思っている。

大会で選手が一位でゴールし、
笑顔で私の方に駆け寄ってくれる時、
とても誇らしく、嬉しい。

だが、日々の練習の中での
彼らの何気ない言葉や行動の変化を感じた時が
最高に嬉しいのだ。

これが私のやりがいになっていることは、たしか。

参加形態(ボランティア)の特性上、苦しいこと、うまくいかないこと、必要とされていないと感じることのが多い活動の中で、選手の変化は、心の中でスキップしながら帰り道に、
ルワンダ人に自分から絡みにいったり、
行きつけの商店兼バーでそこにいる全員に酒をおごってしまうくらい、嬉しい感情が高まる(笑)

彼の目標宣言に、背筋がピシッと伸びた。

7月10日|グラフィックデザインを教える。

エマニュエルからの突然連絡が来たのは、先週の日曜日だったかな。

今週のどこかで話そうよ〜と誘い、早速、飲みに行くことに。

彼はもともと10年以上、近隣の特別支援学校で先生をしていたのだが、
昨年10月から転職し、現在はルワンダのサッカー連盟で働いている。

お互いの最近の出来事を共有したり、ルワンダのスポーツ、教育事情をひとしきり話したあと
「グラフィックデザインを教えてほしいのだけど。」と言われた。

彼曰く、直属の上司ではないが、一緒に働いている方がソーシャルメディアに掲載するような画像を作成しているそう。
しかし、その人はとても忙しく過ごしていて、なかなか画像をコンスタントに作成できていないことに気づいたらしい。

彼が忙しくて、手が回っていない仕事を任せられる人に僕がなりたいとのこと。

彼自身の評価を上げ、昇進を助けるお手伝いができたらと思い、引き受けることに。

デザインツールは無料で使用できるCanva

私は学生時代から前職でも使用していたため、ある程度の使い方は理解している。

本当は「良いデザインってなんだろう?」という理論的なところから私は伝えたいのだが、
その気持ちは抑えて、彼が求めている、今すぐに使える実用的なスキルを伝えることに尽くした。

実際に掲載されている画像を参考にしながら
画像のアップロード方法から大きさの変更、画像自体の編集、文字や形を入れる方法、作成したデザインのダウンロード方法を伝えた。

「Wow! This is great!」といつもに増して、テンションが上がっているエマニュエルを見て、嬉しく思った。

練習で作成した画像を、忙しくて手が回らない彼に送っていた(笑)

かわいいなあ。笑

彼のように、上司の様子を観察し、何に困っているのかを考えて、気づいて
自分のスキルを高めて、良い意味で「仕事を奪おう」という積極的な姿勢を心の底から見習いたいと思った。

きっと彼のような人材が生き残っていくのだろう。

7月11日|生徒とハードルを作ってみた

体育倉庫の鍵を、同僚の体育教員が紛失したのは
確か、5月のこと。

仕方なく、私が保持していた鍵を彼に渡すことにした。

それからというもの、倉庫に保管している練習用具をとるためには、彼を呼ぶ必要があった。

これがまた、大変。

他の教員と話している時は、なかなか話しかけられないし
毎回毎回頼むと、嫌な顔をされる。
学校ではなく、家で休んでいることもよくあるし、
毎日鬼電するのも申し訳ない。

つまり、彼の様子をうかがいながら、体育倉庫の鍵を開けてもらう作業は、関わる人の些細な表情や言動を過度に気にしてしまう私にとって精神的にストレスなのだ。

夏休みが始まり、彼は毎日学校にくるわけではない。

学校に来て!と頼むのも、なんだか気が引ける。

基本的なマーカーなどは、毎回持ち帰ることにして、家にあるが、せっかくの夏休み。練習のバリエーションは多い方がいいに決まっている。

練習用具がないなら、作ればいいか!ということで
ハードルを作ることにした。

ひとまず試作品ということで3台作成することに

町にある工事道具なんかが売っている商店で
以下のものを購入。


3m程度の水道パイプ 3つ
T型の繋げるやつ 6つ
L型の繋げるやつ 6つ
合計:約2000円

「今日、練習の道具つくるから、早く来て助けてほしい!」と伝えると、30分前から選手が来てくれた。

まずは、パイプを切って・・・


つなげて・・・

なんとか完成したのがこちら!


割といい感じ!笑

夏休みはこのハードルを大活躍させる!


新学期が始まったら、ハードルの授業でもやってみようかな!

7月12日|家からジョギングで来たよ〜!

今日は、月に一度実施しているミニ記録会の日。

帰省している選手が多いため、人数が少ないが実施することに。

参加した選手のひとり、ムチョ。
彼は、近隣の学校の生徒。

元々はグラウンド2周でバテるような子だった。

現在では、ある程度のペースをキープした状態で10周はできるようになった。

彼に関しては、適正種目の見極め中なのだが
最近は3000mに挑戦している。

まずは「体力をつけないとね。」という話を4月頃にしてからというもの、休日の練習では
「コーチ!今日はね、家からここまでランニングしてきたんだよ。」

と嬉しそうに報告してくれるのだ。

かわいいがすぎる(笑)

体力は向上したものの、スピードはまだまだ成長過程。

レースでは、ペースコントロールができなくて、いきなりスピードをあげたり、最後は余力を残した状態でゴールしていたり。まだまだ伸び代はあるなと感じるような走りだった。

今回のタイムを超えられるように、今月はスピードと体力のどちらも向上できるように練習していこう!と伝えた。

周りと比較するのではなく、
過去の自分に打ち勝つために。

これは、日本で指導している時も、ここルワンダに来ても、変わらず選手たちに伝えてきたこと。

スポーツに限らず、仕事、趣味、恋愛。
何に対しても、他者ではなく、自分の変化を楽しめる大人になることができれば、人生は豊かになると私は思っているから。

7月13日|わたしのコーチングスタイル

朝はU16選手の指導!

練習場所から30~50分ほどかけて、彼らは練習にやってくる。

U16の全国大会に出場する彼らは、ポテンシャルのかたまりだ。

からだの使い方は荒削りではあるものの、走らせてみると、小さな体からは想像できない、驚くほどガッツのある走りをする。

U20の選手には、彼ら自身が練習の主体に立って取り組めるようにする環境をつくることを意識している。
彼らの身体の状況をしっかりと確認した上で、練習メニューを相談しながら決めている。

U16の選手に対しては、まずは彼らの中での練習の引き出し、身体の動かし方の引き出しを増やすことを意識している。
伝え方もシンプルに、動きを見せて、練習メニューでは、マーカーやボール、ゴムなどいろいろな道具を使ったり、ゲームを意識して指導している。

楽しさを常に大切にしていきたい。

Xを眺めていると、為末大さんのポストが目に止まった。

私の場合は・・・
対象によって比率が変わるけど

U16の場合は・・・
・教える 3割
・引き出す 2割
・励ます 3割
・支える 2割

U20の場合は・・・
・教える 1割
・引き出す 3割
・励ます 3割
・支える 3割

「励ます」の中には「褒める」を含めよう。

過度に教えすぎず、励ましを大切にするコーチングスタイル
なのかもしれない。

他のコーチのスタイルも気になる!

7月14日|一緒に練習しているよ!

朝ごはんをつくろうと思い、コンロをオンにすると
火が点かない・・・。

ガスが切れた!!!

重たいガスを取り外し、自転車のお兄ちゃんに頼み
新しいガスを持ってきてもらうことに。

ガスは大体8~9ヶ月に1回くらいで替えている。

お値段17000RWF(日本円で1700円くらい)

電気代は1ヶ月7500RWF(日本円で750円くらい)

一気に2000円以上の出費は大きい。

朝から少しテンションが下がった。

突然、元々指導していた選手からメッセンジャーで連絡が。

「コーチ、元気?」

「パピーと一緒に練習しているよ!サポートするから任せてね!」とのこと。

指導中の選手は、夏休み期間は彼のお兄ちゃんが暮らすキガリにいる。

その間、実業団チームと一緒に練習するとのこと。

「試合で勝つために、僕が助けるから!」と心強い連絡が。

ルワンダでは選手同士のつながりが深く
クラブから去っても、一緒に練習することが多い。

練習を継続しているか不安だったが、
彼のおかげでその不安もかなり解消された。

別のクラブでの練習は、確実に彼の力になるはず!

早く会えるのが楽しみだ!

おわり

夏休みが始まり、1週間経過した。

平日は暇になるかと思いきや、練習に取り組むことができ、
とても充実した日々を過ごせている。


- 私の家の前によくいるヤギさんのお世話をする少女

明日は大統領選挙なので、外出はせず
自宅で過ごすことになりそう。

前日の今日は、特にまちの変化もなく、
いつも通りの平和なルワンダです。

それでは!


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