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【テンプレあり】海外レーベルからのリリースってどうやるのって話

2024年6月5日にタイのPOSTWORLDからEP『Entropy Echoes』をリリースしました

2023年3月にリッチモンドのformforumから『Demon Stinger』をリリースして以降、同年12月にドイツのSpeedcore Worldwide、2024年4月にギリシャのMagdalena's Apathyのコンピレーションアルバムへの楽曲提供といった感じで海外レーベルからのリリースが続いており、かなりいいペースで曲作りとリリースを行うことが出来ている。

日本人が海外からリリースしたら箔が付くよねっていう俗な考えからアプローチを始めたけど、最近は自分がBandcampで買っているレーベルや好きなアーティストとコミュニケーションを取ってリリースに繋がるケースが増えてきている。まだ色んなところからリリースのオファーがあって…みたいな状況ではないけれど、好きなレーベルに連絡して曲を気に入ってもらってリリースをするというサイクルがかなり円滑に回っている状態。

どうすれば海外レーベルからリリースできるのかって話は僕も色々調べて手を出し始めたんだけど、ある程度アクションが固定化してきているし、僕と同じように考えていてまだ手を出せていない人にも参考になればと思ったので簡単にまとめてみる。

前提 - そもそも海外から出す意味あるのか

まぁ世代的に海外への憧れってのはある

海外レーベルといえど規模も様々なので、海外から出しているから売れてるとか凄いとかって話ではない。収益面を考えれば日本でファンダム作ってライブに沢山人を呼んでグッズが沢山売れた方が良いのかもしれない。

1億人の中で自分の曲をめちゃくちゃ気に入ってくれる人を探すのか、81億人の中から探すのかという話。
ある程度尖った趣向で曲作りをしていると、老若男女全ての人が気に入るものではなく特定の人にぶっ刺さるものになってくる。別に玄人受けするからかっこいいとかではなく、そういうのが好きでそういうのしか作れないんですよ。

僕はリスナーとしても音楽掘るのが凄く好きなので、日本も海外も面白いことやってる人はいて、その周りに同じような趣向のアーティストもリスナーもいるし、世界規模で見るとどんなにニッチなジャンルでも数名ではなく一定の規模がある
昔みたいに試聴せずにレーベル買いをしたりする事は今の時代はないだろうけど、それぞれのレーベルの色やそれを好む人達の繋がりがあって、そこに飛び込んでいく面白さがある。せっかく曲を作ったのであれば共感できる多くの人に聴いて欲しいし、わかってくれる人と話したいじゃん。

総じて下記のような考えを持っているアーティストはすぐにでもアプローチを始めた方が良いと思う。

  • ニッチで尖った曲を作っている

  • 身近に自分の曲を理解してくれる人がいない

  • 普段から海外のインディーレーベルを好んで聴いている

事前準備① - レーベルのリスト化

3年前から作ってるリスト

思い立ったらすぐ連絡できるように常にレーベルの連絡先をリスト化しておく。Bandcampで購入したらまずは連絡先を調べてリストに入れる!
連絡先ってそんなに公開されているのかって質問をもらったことがあるけど、下記の順で調べている。

  1. オフィシャルサイトのデモ音源受付

  2. オフィシャルサイトの問い合わせ窓口

  3. SoundCloudかBandcampに記載があるメールアドレス

  4. SoundCloudかBandcampの問い合わせフォームやDM

  5. インスタ等のSNSのDM

デモ音源受付のメールアドレスやフォームがあればそこに送ればいい。それがない場合も連絡手段はいくつかあって、もちろんレスがないケースもあるけど、ちゃんとレスが来ることもある。
リリースできればどこでもいいという訳ではないけど、一定の数は必要なので気になったらすぐにリスト化出来るように意識しておくと良いと思う。規模や自分の曲とのマッチング具合でクラスター分けしとくとより良い。

事前準備② - 未発表曲のプレイリスト化

毎月1曲作って貯めていく

楽曲を送るときはSoundCloudの限定公開を使っている。最新の曲を1つ送ることと合わせて未発表曲のリストを送るとEPやアルバムの纏まった作品のリリースに繋がるし、送った曲があと一歩で刺さらなかった時にもうワンプッシュ出来る。
リリースする際はマスタリングをレーベル側か自分がアサインした人にお願いする形だけど、この時点で一定レベルまではマスタリングしておくと良い
昔は曲が完成したらすぐに聴いてもらいたくてSoundCloudで公開していたけど、そこをグッと堪えることでより多くの人に聴いてもらえるので、最近は曲ができたらコツコツとプレイリストに積み上げてる。
もちろん曲のクオリティは最も大事なので、そこは自分が自信を持って相手に伝えられるようになるまで頑張りましょうという話。

メール文面

件名:Demo Submission

Hello [レーベル名],

My name is [自分の名前], I’m a music producer from Japan.
I have a brand new unsigned track that I would like to release on your label.

The song is called [曲名] and [曲の説明。ジャンルなど想起しやすいもの].

Please listen to the track by the following link.
[SoundCloudのリンク]

This playlist is all unreleased songs and I would like to release it as an album if possible.
[SoundCloudのリンク]

I hope you like it and will consider releasing it on your label.
Regards,

文面はこんな感じ。ほぼ固定で使っている。レーベルへの想いを綴っても良いと思うけど、正直それほど返信率は変わらなかった。メールの意図と曲の特性を端的に伝えられれば良い
熱意よりもタイミングが重要なきがしている。ここはまだ分析しきれていないんだけど、リリースって年単位の計画なのでそこにバシッとハマれば話が早い(曲が評価される前提ではあるが)。過去の傾向だと11月にメールを送って決まったケースが多い気がする。

打率

読売新聞オンラインより引用

一番好きなレーベルに送ってすぐに話が決まればそれに越した事はないけど、ある程度の数を送ってみる事は大事。そんなに送る候補ないよって人は単純に聴いてる範囲が狭すぎるので、自分がニッチなことやってるのであればちゃんと興味持って掘ろうよ話。

まぁ、20件くらい送れば少なくとも5-6件は聴いてくれて1-2件はレスが来る。直近のアプローチだと10件送って2件リリースが決まったので打率が上がってきている。文面は固定しているので、マッチするレーベルの判断の質が良くなったのかもしれない。

レスが返ってこなくても凹まないで続ける事は大事。1回聴いてくれなかったから次も聴いてくれないという事ではないし、リリースに繋がらなくてもアドバイスをくれるレーベルもあるので気軽にやっていくのが良いと思う。
ARCTIC MONKEYSのアレックスは有名になる前は、THE LIBERTINESか誰かのフォーラムにひたすら自分の曲や動画を送ってたって何かで読んだことがある。

まとめ

リリースが決まるまでのアプローチはこんな感じ。決まってからはアートワークやマスタリング、リリース時期や条件など色々決める事はあるけど、楽しい話ばかりだし流れに乗ればトントン拍子で進むので今回の話からは割愛する。

海外レーベルへのアプローチって大掛かりなイメージを持つ人もいるかもしれないけど、自分が音楽を聴いてて「このレーベル面白い!」って思った5分後にメール送付が完了できるような準備を整えておくと、日常の延長で熱意を損なわないまま話が進んでいくので事前準備を習慣化しておくのが一番の成功の秘訣。

そんなこんなでリリースした曲を下記のリンクにまとめているので是非聴いてみてください。

定型化したナレッジはどんどんシェアしてみんなが上手くいけばいいと思っているし、これをシェアしても差別化できるレベルに曲のクオリティが上がってきていると自負しているのでかなりオープンに書きました。
ぜひ参考にしてください。

おわり


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