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【実質0円大学生活のすすめ】第45回:大学図書館を使いこなす(6):書店と図書館は何が違う?03

書店と図書館の違いとして、並んでいる本の「良質さ」と「深さ」の多様性が異なる点を指摘しました。前回・前々回の「良質さ」につづいて、今回は「深さ」について一般書店と図書館の違いを考えてみましょう。

書店と図書館の違い:「深さ」

この「深さ」とは「時間的深度」のことです。棚に並ぶ多くの書籍の出版年がどれくらいの時間幅に含まれるか、という意味です。一般的に、書店ではこの時間的深度が浅く、図書館では深くなります。

一般的な書店では、新刊書を中心に出版後10年程度までの本が並んでいると考えてよいでしょう。つまり、時間的深度が「浅い」のです。定評のある古典でも、再版されていなければ、あまり古いものは置いてありません。

古いものを探している場合には、古書店に行く必要があります。古書店は一般書店よりは「深い」といえます。しかし、古書店では目的の本があるかどうかは、基本的には店頭に行ってみないとわかりません。

時間的深度という意味では、図書館はとても「深い」のです。出版されたばかりの新刊書から、紙の色が茶色く変色している戦前に出版された本まで、出版年が異なる書籍が分類法に従い、隣り合って配架されます。

よく整理された蔵書を持つ図書館であれば、ある書架の前に立つと、その分野の代表的な本の背表紙が100年くらいの幅で一覧することができるはずです。

実際には、古い本は装丁が傷んでいることも多いため、閉架書庫に納められていることが多くなります。それでも、適切に検索・請求して借り出せば、自分の目の前に100年分を並べることは可能です。

このあたりは、公共図書館と大学図書館の違いにも影響するところですが、それは次回に触れましょう。

今日のまとめ

- 書店と図書館では時間的深度という意味での「深さ」が異なる
- 一般書店は近過去10年分程度の「浅さ」であり、古書店には一定の「深さ」はある
- 図書館は100年分くらいの「深さ」を期待できる


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