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#8 初マイアミ上陸① - 到着までの話 - 2016年

前回で私の手術・療養に関する話が書き終わった。私の鬱々とした時期が無事に過ぎた。私にとっては切っても切れない話ではあるものの、イチローさんと直接関係のない、陰鬱な文章も読んでくださった方、ありがとうございます

さて!

イチロー選手がマイアミへ移籍した2015年のゴールデンウィーク、私はペルーに向かっていた。マイアミを飛び越えて…あんなに「遠い遠い」と言っていたマイアミよりさらに遠いところへ…

2013年の手術の後遺症(副作用)だった光過敏症が無事解消し、20年来の友人と長年の夢を叶えた。私たちもいつまで自由に行動できるかわからない、出来るうちにやりたいことをやろうと話し合っての旅で、イチローさんのマイアミ移籍前に決めていたことだった

経由地のアトランタから、ペルー/リマ行きの飛行機でに乗った。マイアミ上空を通過する時(本当に上空を通ったかは知らないが方角的に)、イチローさんがいるマイアミだ、ちょっとここで降ろしてください!とか思いながら、通り過ぎるのは、何となくイチローさんを裏切るような気持ちがした

でも、ペルーは最高だった。死ぬまでにもう一度行きたい

日米通算最多安打を見届けよう

気を取り直して。翌2016年、イチロー選手は日米通算最多安打と、メジャー通算3,000本安打の達成が目の前に迫っていた

大記録達成を現地で観届けたいと思ったが、イチロー選手はスタメンだったりなかったりで、日程のアテをつけるのがとても難しく、毎日毎日エクセルを睨んでいた

いちいち友人に報告

しかし、6月6日の時点で、6月17日あたりで休むか迷っているというのがすごい。仕事は大丈夫だったのかなと振り返っていて、ちょっと職場でのムッとすることを思い出した。だから、まあ、よいのだ

メジャー通算3,000本安打がより重要視されていることは感じていた。なので、②の日程を狙う人も多かったと思うが、私は日米通算記録もイチロー選手が積み重ねた大事な結果だと思っていたし、日本時代からファンである自分の誇りと、若干の自慢も含めて、そちらをターゲットにすることにした

「① 6月17日からのホーム10連戦」のどこかでマイアミに行くことに決めた

マイアミ行きの準備

日本で得られる情報としては、マイアミは決して治安のいい地域ではない。犯罪発生マップを見ると、安心して泊まることができるエリアがビーチサイドしかないように見える。そこはもちろん、ホテル料金がとても高い

そしてさらに問題なのは、そのエリアからはスタジアムまで車で30分ぐらいかかることだ。移動もお金がかかる。かといって、節約のためにバスに乗るという選択肢は、これも安全性からしてない

マイアミ・バイスが頭をよぎる…

しかし、怖がっていても仕方ない。イチロー選手を観たいなら行くしかない。いざとなったら本社の人に助けてもらうために、行くことを伝えてみた(当時、親会社本社がマイアミにあった)

いざ、って何だろうか

6月18日(土)に成田を発ち、現地19〜21日(日本時間20〜22日)の3試合を観戦することに決定。試合のチケットを買って、航空券を買って、ホテルも安全なエリアを予約して・・・そうだよ、私はこういう時のために働いてるんだよと、HIS経由で日本語ができるドライバーを手配。Uberを信頼していなかった理由は思い出せない

達成しちゃった

日本を発つ2日前、イチロー選手は日本時間6月16日(木)の第1打席目に内野安打でピート・ローズ氏の記録に並ぶと、最終5打席目にライトへ二塁打を打って、日米通算最多安打記録を4,257安打と更新した

シミュレーションの「17日からのホーム10連戦」の前じゃんね…

やっぱり計算通りにならないのがイチロー選手だ。この目で見たかったという気持ちがなかったとは言えないし、友人も「間に合わなかったね」と爆笑していたが、とにかく達成したことが嬉しかった。そして私は恒例の涙

6月16日に日米通算最多安打記録を更新

会社に行くと、みんなに「おめでとう!」と言われた。イチロー選手が何かを達成すると、たくさんの人から「おめでとう」と言ってもらうのだが、当然私は何もしてない。でも、どうもどうも、温かいご声援をありがとう、と手を振る。いつも嬉しい(他の熱心なファンの方も同じ境遇ですよね?)

その日のSNSに「不遇の時代にくさらずに黙々といつも通り準備する。私も頑張ろう」と書き込んでいた(仕事で色々あった時期でした)

イチロー選手は、日米通算最多ということについては、「ピート・ローズが喜んでくれるなら別だけど」とさして関心を示さず、「アメリカだけ、日本だけで誰かが抜いてくれたらと思う」と話し、次の試合に向けて備えていた

いざ、マイアミへ!

6月18日(土)、ANAで経由地のヒューストンへ向かう

イチローさんによるお見送り

ANA、機内食が美味しい
ペルー行きの時に使ったデ◯◯航空と大違いだ

よく考えたら、アメリカ国内線に乗り換えるのは初体験で、アメリカへの入国自体も4年ぶりだったので、少し緊張した

イミグレーションで、前回ニューヨーク同様に目的を「野球を見にマイアミへ行く」と言ったら、「おー!おめでとうイチロー」と言ってくれた。そして前の日本人が質問攻めにされていたのに、私はそれ以上他には何も聞かれずに「楽しんでね~」と笑顔で終わり

アメリカ国内で日米通算記録に異論があっても、日本から来たファンに対してジェントルな対応をしてくれたことがとても嬉しかったし、前回ニューヨーク上陸と同様、アメリカで活躍する日本選手たちは、私のことをいつもどこかで助けてくれている。感謝の気持ちでいっぱいだった

ヒューストンの空港にはNASAグッズがいっぱい

退屈なトランジット2時間で、摂氏への換算式 C=(F−32)×5÷9を暗記しようとして諦めた

いざマイアミへ!

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