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覇権を握る半導体産業

こんにちは。今日もたくさん記事を更新しています。
その中で今日の記事に関しては
石油以上の戦略物資である『半導体』に関して
文章を制作したいと考えています。


台湾半導体

世界の経済活動に最も大きな影響を与えている国の一つである
台湾は経済規模的に大きな国ではないでしょう。
しかし、その中に世界規模の企業が本社を構えています。
それがTSMC(中国名:台湾積体電路製造)

その企業を中心として半導体産業が最強である
本国台湾では多くの人間が半導体を求めてやってきます。
マックで有名なアップル、そして、SONY
たくさんの企業が彼らの産業を求めています。

クリス・ミラー著書の『半導体戦争』からの内容も引用して
台湾の半導体の歴史をまとめました。

『半導体戦争』では非常に多くの企業が登場しますが
その中でも中心的な存在として評価される
台湾のモリス・チャン
そして彼が創業した『台湾積体電路製造』について
詳細を書いていきたいと思います。

台湾半導体の歴史

台湾半導体産業の経過

台湾の半導体産業は、長い歴史と成長を経て、世界的な競争力を持つようになりました。以下に台湾の半導体産業の主な節目や特徴を紹介します。

  1. 1970年代から1980年代: 台湾の半導体産業は、1970年代から1980年代にかけて着実な成長を遂げました。当時、台湾政府は電子産業の発展を重視し、半導体産業の基盤整備に取り組みました。政府は国内企業に対して資金支援や税制優遇を提供し、技術移転や人材育成を促進しました。これにより、台湾の半導体企業は生産能力を向上させ、製品の品質と性能を向上させることができました。

  2. 1990年代から2000年代: 台湾の半導体産業は、1990年代から2000年代にかけて急速な成長を遂げました。台湾の半導体企業は、DRAM(ダイナミックRAM)やファウンドリ(製造受託会社)の分野での競争力を高め、国際市場でのシェアを拡大しました。特に、台湾企業の中で台積電(TSMC)が世界的な半導体ファウンドリとしての地位を確立し、高度な製造技術と品質を提供しています。

  3. 2010年代以降: 台湾の半導体産業は、2010年代以降も成長を続けています。特に、AI(人工知能)やIoT(モノのインターネット)などの新興技術の発展に伴い、台湾の半導体企業は新たな市場や需要を開拓しています。また、台湾政府は産業政策の推進や研究開発への投資を通じて、半導体産業の成長を支援しています。

台湾の半導体産業の成功の要因

  • 政府の支援: 台湾政府は半導体産業の発展を積極的に支援してきました。資金支援や税制優遇、研究開発への投資などが行われ、産業の基盤整備や技術の向上を促しました。

  • 技術移転と人材育成: 台湾は海外からの技術移転を受け入れることで、半導体産業の技術レベルを向上させました。また、大学や研究機関との連携を強化し、優れた人材を育成するための教育プログラムが展開されました。

  • ファウンドリの強化: 台湾の半導体産業では、ファウンドリ(製造受託会社)が重要な役割を果たしています。台湾のファウンドリ企業は高度な製造技術を提供し、世界的な需要に応える能力を持っています。

台湾の半導体産業は、政府の支援と産業界の努力により成長し、国際的な競争力を持つまでになりました。今後も台湾は技術革新とイノベーションに取り組み、新たな市場や技術領域でのリーダーシップを発揮していくことが期待されています。

台湾の製造業が大きな力を持つようになってから世界の多くの企業が
半導体に関して再評価をしました。
その中でアメリカと日本、そして、韓国、中国は台湾との違いをまじまじと
実感することになりました。

特に日本は台湾以上に大きな半導体産業における半導体覇権を
握っていましたが技術力と投資力の衰退で
業界の周回遅れとなりました。

台湾半導体 『台湾積体電路製造』の歴史

台積電 tsmc の企業ロゴ

TSMC(台湾積體電路製造股份有限公司)は、台湾の世界最大の半導体製造ファウンドリ(製造受託会社)です。以下にTSMCの主な節目と歴史的な出来事を紹介します。

  • 1987年: TSMCは、台湾政府の支援を受けて設立されました。当初の目的は、台湾の半導体産業の成長を促進するため、独自の製造能力を持つ半導体製造ファウンドリを設立することでした。

  • 1988年: TSMCは製造業務を開始し、最初の顧客であるアメリカの企業であるAmerican Microsystems Inc.(AMI)の生産を担当しました。

  • 1990年代: TSMCは急速に成長し、台湾の半導体産業の中心的な存在となりました。TSMCは次々と新しい製造プロセス技術を導入し、顧客の需要に応じた高品質な製品を提供し続けました。

  • 2000年代: TSMCは世界的な半導体ファウンドリとしての地位を確立し、成長を続けました。2000年にはNASDAQに上場し、さらなる資金調達を実現しました。

  • 2010年代: TSMCは先端プロセス技術の開発と生産において世界をリードする存在となりました。7nm、5nm、3nmといった次世代の製造プロセス技術の開発と量産に成功し、高性能かつ省電力な半導体製品を提供しています。

  • 現在: TSMCは世界中の多くの半導体企業から製造受託の依頼を受けており、グローバルな市場で主要な役割を果たしています。TSMCの製造能力と技術力は高く評価されており、半導体業界のリーディングカンパニーとしての地位を築いています。

TSMCは長年にわたって持続的な成長を遂げ、半導体産業において重要な役割を果たしてきました。高度な製造技術と品質の提供、顧客への柔軟な対応、技術革新への取り組みなどが、TSMCの成功の要因とされています。また、TSMCは持続可能な経営を重視し、環境保護やCSR(企業の社会的責任)にも積極的に取り組んでいます。

これらの企業の創設に関わったモリス・チャンについて
経歴を確認していきましょう。
どのような人生を歩んできたのか簡潔ではありますが
まとめたいと思います。

モリス・チャン『張忠謀』の経歴


台灣積體電路製造 の創業者 張忠謀

TSMC(台湾積體電路製造股份有限公司)の創業者であるモリス・チャン(Morris Chang)氏は、半導体産業において非常に重要な役割を果たした経歴を持っています。以下にモリス・チャン氏の主な経歴をご紹介します。

  • 学歴と初期のキャリア: モリス・チャン氏は1929年に中国の上海で生まれました。イェール大学で学び、物理学の学士号を取得しました。その後、マサチューセッツ工科大学(MIT)で物理学の修士号と博士号を取得しました。MIT在学中には、半導体材料の研究に取り組んでいました。

  • テキサス・インスツルメンツ(TI)でのキャリア: モリス・チャン氏は博士号取得後、テキサス・インスツルメンツ(Texas Instruments、TI)に入社しました。TIでは、半導体製造技術の開発や生産管理の分野で重要な役割を担いました。彼はTIの上級副社長および取締役を務め、世界的な半導体企業の経営に関する豊富な経験を積みました。

  • TSMCの設立: 1987年、モリス・チャン氏は退職後、台湾に戻りTSMCを設立しました。彼の目標は、台湾における独自の半導体製造能力を構築し、半導体産業の成長を促進することでした。彼はTSMCの初代会長兼CEOとして、会社の戦略を策定し、組織を築いていきました。

  • TSMCの成長とリーダーシップ: モリス・チャン氏のリーダーシップの下で、TSMCは急速な成長を遂げました。彼は最先端の製造技術を導入し、顧客の需要に応えるための製品の開発と生産を推進しました。TSMCは世界的な半導体ファウンドリとしての地位を確立し、半導体産業の中心的な存在となりました。

  • 退任後の活動: モリス・チャン氏は2018年にTSMCの会長を退任しましたが、その後も半導体産業におけるリーダーシップと知識の共有を続けています。彼は半導体業界の重要な団体や機関の役職を務め、産業の発展に寄与しています。

モリス・チャン氏は半導体産業において非常に偉大な業績を残し、台湾の半導体産業の発展に大きく貢献しました。彼のリーダーシップとビジョンは、TSMCの成功と台湾の半導体産業の成長に不可欠な要素であり続けています。

日本における活動と経済的な関係

TSMC(台湾積體電路製造股份有限公司)は、台湾に本社を置く半導体製造ファウンドリ(製造受託会社)であり、日本においても重要な存在です。以下に日本におけるTSMCの活動について説明します。

  1. 半導体製品の需要供給: TSMCは、日本の半導体需要に対応するため、多くの日本企業との取引を行っています。日本の半導体メーカーやデバイスメーカーは、TSMCを含む外部の製造ファウンドリに生産を委託することで、需要に応じた製品供給を実現しています。

  2. 先端製造プロセスの提供: TSMCは、最先端の製造プロセス技術を提供しており、日本の半導体メーカーにとって重要なパートナーです。TSMCの製造技術は、高性能な半導体デバイスの開発と製造を可能にし、日本の企業が競争力のある製品を市場に提供することを支援しています。

  3. 技術提携と協力関係: TSMCは、日本の半導体メーカーや研究機関との技術提携や協力関係を築いています。技術の共有や共同研究により、両者の技術力の向上とイノベーションの推進を図っています。

  4. 日本市場への参入と拡大: TSMCは、日本市場における存在感を高めており、日本に拠点を持つ事業所や研究開発センターを設置しています。これにより、日本の顧客とのコミュニケーションを強化し、製品の提供やサポートに関してより迅速かつ効率的に対応しています。

TSMCは日本の半導体産業において重要な役割を果たしており、高品質な製品と先端技術の提供により、日本企業の成長と競争力の向上を支援しています。また、日本の半導体企業とのパートナーシップや技術協力を通じて、両者の相互補完的な関係を築いています。

関係の強い日本企業

TSMC(台湾積體電路製造股份有限公司)は、日本の半導体メーカーやデバイスメーカーと幅広い取引を行っています。

  1. ソニー(Sony): ソニーは、映像・音響機器やセンサーなどの幅広い製品を製造する日本の大手エレクトロニクス企業です。TSMCとの関係では、ソニーの半導体部門がTSMCを製造パートナーとして利用していることが報告されています。

  2. パナソニック(Panasonic): パナソニックは、家電製品や自動車部品、産業用機器などの製造で知られる大手日本企業です。TSMCとの関係では、パナソニックがTSMCを製造パートナーとして活用していると報じられています。

  3. ルネサスエレクトロニクス(Renesas Electronics): ルネサスエレクトロニクスは、自動車向け半導体やマイクロコントローラなどを製造する日本の企業です。TSMCとの関係では、ルネサスエレクトロニクスがTSMCの製造サービスを利用していることが知られています。

  4. シャープ(Sharp): シャープは、ディスプレイや家電製品、太陽電池パネルなどの製造で知られる日本の企業です。TSMCとの関係では、シャープがTSMCを製造パートナーとして活用していることが報じられています。

これらは一部の代表的な日本顧客ですが、TSMCは他にも多くの日本企業との取引関係を持っています。日本の半導体産業においては、TSMCが重要な製造パートナーとしての役割を果たしており、多様な顧客の需要に応える製品を提供しています。

関係の強いアメリカの企業

TSMC(台湾積體電路製造股份有限公司)は、アメリカの半導体企業と幅広い取引を行っています。

  1. Apple(アップル): Appleは、世界的に有名なテクノロジー企業であり、iPhoneやMacなどの製品を製造しています。TSMCは、AppleのAシリーズプロセッサの製造を担当しており、AppleはTSMCを重要な製造パートナーとして利用しています。比較的台湾企業とのつながりは多い企業です。台湾に本社を置いている鴻海にも製品の製造委託をしています。

  2. Qualcomm(クアルコム): Qualcommは、モバイル通信技術や半導体チップなどを開発するアメリカの企業です。TSMCは、Qualcommのモバイルプロセッサの製造を担当しており、両社は長年にわたって協力関係を築いています。

  3. NVIDIA(エヌビディア): NVIDIAは、グラフィックス処理ユニット(GPU)や人工知能に特化した半導体を製造するアメリカの企業です。TSMCは、NVIDIAの最新のGPUチップの製造を担当しており、高性能な製品を提供しています。創業者の中に台湾人がいます。

  4. AMD(エーエムディー): AMDは、コンピュータープロセッサやグラフィックスカードなどを製造するアメリカの企業です。TSMCは、AMDの最新のCPUやGPUの製造を支援しており、両社の協力関係は継続しています。

これらは一部の代表的なアメリカ顧客ですが、TSMCは他にも多くのアメリカの半導体企業との取引関係を持っています。アメリカの半導体産業においては、TSMCが重要な製造パートナーとしての役割を果たし、最先端の製品を提供しています。
アメリカのIT企業においても心臓的な役割を果たしています。

関係の強い中国企業

TSMC(台湾積體電路製造股份有限公司)は、中国の半導体企業とも幅広い取引を行っています。

  1. Huawei(華為技術): Huaweiは、中国を拠点とする大手通信機器メーカーであり、スマートフォンやネットワーク機器などを製造しています。TSMCは、Huaweiの一部のスマートフォン向けチップの製造を担当しています。

  2. Xiaomi(小米科技): Xiaomiは、中国を拠点とする大手スマートフォンメーカーであり、様々な消費者向け電子製品を製造しています。TSMCは、Xiaomiの一部のスマートフォン向けチップの製造を行っています。

  3. MediaTek(聯發科技): MediaTekは、中国を拠点とする半導体企業であり、スマートフォンやモバイルデバイス向けのチップセットを開発しています。一部のMediaTekのチップセットは、TSMCによって製造されています。

  4. SMIC(中国半導体製造国際): SMICは、中国の半導体ファウンドリ(製造受託会社)であり、自社で製造を行っています。一部の中国企業は、TSMCとの協力関係を持ちながらも、SMICを含む中国国内の製造パートナーとも取引をしています。

これらは一部の代表的な中国顧客ですが、TSMCは他にも多くの中国の半導体企業との取引関係を持っています。中国の半導体産業においては、TSMCが高度な製造技術と品質の提供により重要な役割を果たし、中国企業の成長と技術革新を支援しています。
中国との戦争はこのような経済的な関係も重なって台湾侵攻が起きる可能性が低いと考えられています。

以上3か国の企業に投資をしている人にとっても
台湾の半導体企業の動向は株価の上下に大きく関係することが
分かっています。
観察することで株式投資の判断の指標の一つにもなるでしょう。

台湾半導体と地政学

アジア 地図

台湾半導体産業は、地政学的な要因と深い関わりを持っています。以下に台湾半導体産業と地政学の関係性について説明します。

  1. 台湾の重要性: 台湾は、半導体産業において世界的な重要性を持っています。台湾は、半導体製造や半導体製造装置の製造、設計などの分野で優れた技術と能力を有しており、多くの半導体企業が台湾に拠点を置いています。また、台湾の半導体企業やファウンドリは、世界的な市場シェアの一部を占めています。

  2. 台湾海峡の地政学的状況: 台湾は中国と地理的に接しており、台湾海峡を挟んでいます。台湾は中華人民共和国の一部とはなっておらず、独立した政治体制を持っています。この地政学的な状況は、台湾半導体産業にとって重要な要素です。中国と台湾の関係が緊張する場合、台湾の半導体産業に影響を及ぼす可能性があります。

  3. 技術流出と知的財産権の保護: 台湾の半導体産業は、技術の流出や知的財産権の保護に関する地政学的なリスクに直面しています。中国は、半導体技術の獲得や開発に関心を持っており、台湾の半導体企業に対して技術の盗用や企業秘密の漏洩などのリスクが存在します。台湾の半導体企業は、技術の保護やセキュリティ対策に十分な注意を払っています。

  4. アメリカとの関係: 台湾は、アメリカとも密接な関係を持っています。アメリカは、台湾との間で経済的・安全保障上の協力関係を築いており、台湾の半導体産業を支援しています。また、アメリカは、台湾の半導体企業との間で技術の共有や協力関係を持っています。

地政学的な要因は、台湾半導体産業におけるリスクや機会を形成しています。台湾の半導体企業は、技術革新と競争力の維持に取り組む一方で、地政学的な状況やリスクに対しても慎重に対応しています。国際的な関係や地政学の変化は、台湾半導体産業の将来と発展に影響を与える可能性があります。

最後に

世界経済の基幹的な産業を保有している台湾半導体と台湾政府に
襲ってくる地政学リスクに関しては
まだまだ研究が必要です。
しかし、台湾の半導体産業が世界に与える影響はとんでもなく大きいことがここからも分かります。

これからも半導体のことに関してたくさん記述していけたらと考えています。
今回はここまででした。
ありがとうございました。

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