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テラリウムの梅雨空

先週、私のポストには2通の手紙が舞い込んだ。
スリランカカレー屋を始めた友人からの近況を知らせる便りと、サンジュの友を介して知り合ったキジュの友からの葉書。
封を切ると、彼女の庭の香りのする葉っぱが顔を出した。
葉書を裏返すと、彼女の詠んだ句が3首。私の知らない美しい季語が宝石のように埋め込まれていて、その意味を調べる。
そんな時、自分の中の大地が豊かに湿る感覚をもらう。
そして、頼りない木に小さな葉がついたり、殺風景だった岩に苔が蒸したり、膨らんでいた小さな蕾が花開いたりする。

おなかに、テラリウムを抱えているようなそんなイメージだ。




首から下、服に隠れている部分は実はガラス瓶のようなものでできていて、土があり、緑があり、池があり、メダカのようなものも2〜3匹泳いでいる。
私だけじゃなくて、実はみんなそうなのかもしれない。
そこには空も雲もあって、日がさしたり、雨が降ったりするんだ。

私は私のテラリウムにほしい潤いや輝きや影や音を、外の世界から取り込んで満たしていく。
そして、通り雨や、日照りや、梅雨空を、しのいでいくんだ。

それからね、誰かのテラリウムを垣間見ることがあったら優しく微笑みたい。
その宇宙を見せてもらえたことについて、ありがとうと伝えたい。
人の数だけ風景があって、色彩があって、お天気があって、音楽があって、そこから首が伸びて、顔があり脳がある。(花みたいだね)
足りない砂は分け合うもいいし、気に入った花の種をもらうのも素敵だ。
時には嵐に濡れる大地を、誰かのおひさまに照らしてもらってもいい。

あなたのテラリウムが心地よい空間であるように。
優しい音楽で包まれるように。
他の誰でもない、自分自身にとって安らげる場所であるように。

あ、誰かのnoteを読むのも、その人のテラリウムに触れることですね^^
そんなことを思う、制作の合間。


∞花湖∞

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