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湖北の風景5 湯谷神社

※湖北最南端(妙な言い方)にあたる
米原市米原の湯谷(ゆたに)神社のお話。

米原駅からほど近いのに、都会(?)の喧騒はどこへやら。
異世界に迷い込んだような古びた町並みの中にたたずむ静かな杜。

この神域で過ごすことに、とても親近感を感じています。
遊具もあり子供達を安心して遊ばせられる場所であり、
夜は鳥肌が立って少し近寄りがたい場所でもあります。(特に霊感はない)

米原駅東口から国道8号線を渡り、太尾(ふとお)山へ向かう車道を登った先に、第一鳥居。
なだらかな坂。石畳の参道が現れます。

民家を抜けた先に
本殿までのゆるい坂道
たまに登山客を見かける程度
第一鳥居と桜
桜、紅葉、杉、椿、楠
豊かな植生の美しい参道
車両は樹木の剪定をされている方のものでした
神に感謝、と共に人に感謝。
地域の方のご尽力によって静謐な神域が保たれているのですね。
第二鳥居と手水舎、本殿
昔は六所権現社という名だった。
上古、出雲の国人が諸国を巡視しこの山谷に至り
里民をして地を穿たせたら霊泉たちまち湧き出た
湯が枯れたのは馬を洗ったせい、本殿は浅井長政に焼かれた
井伊家の家臣が再建・・・とか歴史が詳しく書かれている
本殿
境内社 春川稲荷神社
付近で火災の難が続き、そこの稲荷をこちらへ遷座したもの
厄介払いみたいでなんか悲しい
境内社 牛頭天王社の牛さん(鳥かごの中)
江戸時代、悪疫が流行ったため勧請されたらしい
温泉はないけど鯉と亀がいる池
忠魂碑前のしだれ桜
手水舎 優しいお顔の龍神様
おまけ キモいきのこ(ヒドイ)
「アミガサタケ」
春先、どんと焼きの焼土付近で良く見かけます。食用らしい


※湯谷(ゆたに)神社の祭神
・大己貴命(おおなむちのみこと)開拓の神(大国主の別名)
・水門神(みなとのかみ)港湾の神
・保食神(うけもちのかみ)五穀の女神

古代、出雲の国の人が温泉を見つけたので、その国人達の祭る大己貴命を祀って湯谷神社。でも大国主じゃなくて開拓神としての名で祀ってる所にこだわりを感じます。
「里人をして地を穿たせた」っていうのもちょっと植民地的な気配がしたり。
実家の辺りは八幡神社ばかりだったので、「国つ神」的な息吹を感じて新鮮。

「ここって別に温泉掘りたかった訳ではなく鉄鉱石が採れそうな山を片っ端から掘ってみたんじゃないの」というのは岡谷公二先生の考察。
私もこれ推しかな。

鉄道や道路の敷設にともなって移設された境内社もあり、
交通の要衝、米原のなんでも来いって感じの土地の神(と人々)の懐の広さも素敵な神社。
私もまたここでは移民であります。
地元なので熱く語ってしまいました。

『神社の起源と古代朝鮮』
わが心の故郷、湯谷神社をはじめ
近江、敦賀、出雲、三輪、韓国を歩いてめぐる原始神道の起源
アメノヒボコについての考察も面白い本


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