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若い女性は雇用しない問題と悪玉

※表紙はウェディングに人気の「ウェルカムバード文鳥あみぐるみ」ですが
ハンドメイドとはあまり関係のない記事です。
ご興味のない方はスルーして下さいませ。

昨日のYahooニュースのトップに出ていたとある女性経営者のツイート。
かいつまんで説明すると、

「若い女性は寿退社や産休や育休をされると困るので正社員として雇用しない」
「30代女性は子どもの風邪などで欠勤をするので業務の穴埋め負担が大きい」
「本音は雇ってあげたいけれど、弱小企業では雇う余力がない。こういうところに政府の助成金を出してほしいと思う」

読んだ方にはおおむねこの経営者は誠実な方であると評価されているという内容でした。

男女雇用機会均等が叫ばれても、経営者としては女性差別をせざるを得ない。「本音と建て前」「本音」部分の潔い主張に痛快ささえ覚えました。
(これが男性経営者の発言だったとしたら、炎上していたかもしれないというおそれはありますが。)

初めから「達成しえない平等」という理想を掲げるから
女性が割を食わなければならない。ならば初めから差別しますと公言されていたほうがむしろフェアでないのか。とさえ思ってしまいます。
それは女性の能力が低いからではない。身体が出産・子育てに時間を割かねばならないしくみになっているから。
始めから採る気がないなら期待させないでちょうだい。
少子化対策とかも叫ばれてますし。異次元の。
でも子を持つかどうかは当人の自由によるところなので、そうすると産まない選択をした方が割を食ってしまうという、同じ女性の中でも対立が生じる悲しみ。(これがけっこうきつい)

上手くまとめられませんが、女性として働いて子育てして働いて生きてきた自尊心と辛さ、悔しさ、同志の苦労、消化しきれないモヤモヤが顕在化したような、目を背けておきたかったけど見てしまったような。すっきりではないカタルシス。

私は決して仕事熱心なタイプではないので、じゃあ子どもがいなければバリバリ働いて活躍していたのかというと果てしなく微妙ですが。

こんな不平等な世界でどうして必死に働かないといけないのか。
しかし子どもがいることが生きることへの最高の動機付け(強制力)になっているのもまた事実。何事も一生懸命やらないと楽しめないのでしょう人生は。
平等なんて幻想だ。政治が変わろうと変わるまいと、
戦いが始まる前からすでに敗者と定められていたとしても、この冷酷な世界から目をそらすんじゃない。
若いとか若くないとか男とか女とかじゃない。全ての戦う人へ、だ。
女性である不条理や暗澹たる思いを少しでも前向きな反骨精神に変えていけたらと思うこの頃です。


冷酷なこの世と言えば、この歌を思い出していました。
キリンジの2000年の名曲。
反則負けこそが最高の名誉である、勝つことを許されない二流で無名の悪玉(ヒール)の賛歌。
曲名や歌詞に反して包み込むようなヴォーカルと曲調に癒されます。

冷酷なこの世から目を反らすな
このイカサマ試合を出し抜いてやる
興行主(プロモーター)らは席を立つ
罵声うず巻く中に お前の無垢なる笑顔を見いだすのだ
「マイクよこせ!早く」

キリンジ『悪玉』


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