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セリアとアーツ・アンド・クラフツ運動

近頃セリアで良く見かけるウィリアム・モリスデザインの雑貨。
私も大好きでセリアへ立ち寄る度にこまごまと買ってしまいます。
ウィリアム・モリスって何?って方はとりあえず、「いちご泥棒かわいいよね~」と返しておけば何とかなります。
このセリアグッズたち、ボタニカルで繊細なモリス柄を緻密なプリントで再現していて素晴らしい製品なんです。もちろん全て110円(税込)

ペンケース

緻密なプリントのペンケースはかぎ針入れに

透ける素材のデザインペーパー

いちご泥棒/クレイ川/柳の枝の3柄

割布ハンドルバッグ大

丈夫で大きいポリプロピレン製バッグ

トートバッグは毎日使っているものの写真で失礼。
中に毛糸と編み物グッズがたっぷり詰まっています。

有名なパターンと解説

Strawberry Thief(いちご泥棒)1883年
家庭菜園の仇敵、苺を食害する鳥を愛らしく左右対称にデザインした彼の代表作の一つ。この鳥、ツグミとかコマドリ説などがあり種類は定かではありませんが、よく見るとけっこう食えない顔をしています。

Cray(クレイ川)1884年
クレイとはモリス一家が暮らしていた「レッド・ハウス」の近くを流れる川の名前。花と茎が川のように曲がりくねった複雑でフェミニンなデザイン。
私には昭和時代のポットの花柄ようなノスタルジーを感じます。

Willow Bough(柳の枝)1887年
川岸の柳の木からインスピレーションを受けたデザイン。
流れるような柳の枝と葉のみで構成され、みずみずしい生命の息吹を感じます。
琳派の植物図のような趣もあり和のインテリアにも調和します。

アーツ・アンド・クラフツ運動とは

ウィリアム・モリスは、1880年代アーツ・アンド・クラフツ運動(Arts and Crafts Movement)を主導した方です。

モリスの考える『アート・アンド・クラフツ』
ヴィクトリア朝時代、産業革命の結果として、世には大量生産による安価で粗悪な商品があふれ出しました。

モリスは、そんな粗悪品が溢れる世を批判し『中世の手仕事に帰り、生活と芸術を統一する』ことを主張、その運動と連動しながら『モリス商会』で経済活動も巧みに繰り広げてゆきます。

ウィリアム・モリスの名作カーテンいちご泥棒とは?
https://allabout.co.jp/gm/gc/416940/

彼は質の悪い量産品に対して職人のクラフトマンシップ溢れる手仕事を尊重し、数々の芸術的なデザイン製品を産み出しました。
そんなモリスデザインが現代では大量生産・大量消費の極致とも言える100円ショップで売られていることに少々の皮肉と可笑しさを感じますね。
現代の量産品は質もさほど悪くない物が多いですが。

少なからず手仕事の作品を販売して対価を頂いている身としては、かように素敵な物を安価に売られると複雑な気持ちになりますね。
セリアさん、次はヴォイニッチ手稿のマステとか売ってくれないかな~(消費者目線)

未解読の奇書 ヴォイニッチ手稿


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