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読書感想文・水木しげるの古代出雲

※白うさぎさん画像お借りしました。cute🥰

『水木しげるの古代出雲』

夫が図書館で借りてきた本。
お、なんか私の趣味に寄せてきてくれた?
古代史に興味持ってくれた?
と思ってこっそり読んでみました。(そうでもないらしい)

みんな大好き、水木しげる先生の古事記や古代出雲についての漫画です。

オオクニヌシの表情がたまらない


水木先生の緻密な表現と、深みのある考察が素晴らしい。一気読みしてしまいました。

表紙にも描かれている通り物語のメインは古代出雲の王、大国主命=オオクニヌシ。

前半は日本創生神話中心で古事記、風土記などの入門編といった形で神話初心者にもおすすめです。

ヤマタノオロチ=タタラ族=天目一箇命
的な描写
根の国にて
オオクニヌシとスセリビメの出会い



古事記にはオオクニヌシ率いる国つ神がアマテラスの御子である天つ神(天孫族)に日本(葦原中国)の支配権を渡す「国譲り」というエピソードがあるけれど、
現実はそんなおとぎ話な超展開ではなく、血なまぐさい戦乱の末の国譲りである。

後半は先生の夢枕に立ったという古代出雲人の青年の訴えを汲み、
敗者であるオオクニヌシを始めとする古代出雲族側の無念を描いている。

一回古事記をおさらいしつつ、
歴史とは不思議な神話や伝説じゃない。人の営みがあるだけ。
その辺をズバッと主張して下さるのは痛快であります。

水木先生自身も妖怪に憑かれたり、スピリチュアルな経験をされてるけれど、実に現実的で冷徹に作品を描かれているところが私の好むところ。

ちなみに私も何度か幽霊を見たことあるけど、幽霊なんていないと思っている。
(あえて言えば、脳のバグ)

差し出がましいですが、もっと強調したらいいとすれば、
古代出雲族をはじめ国つ神的な人々の信仰とは、大和朝廷が「整えた」神道的な形式での信仰の形ではなかっただろうという着眼点。
今やオオクニヌシさんは七福神の大黒様と習合したり、ねずみやうさぎとセットで縁結びの神なんて言われているなんてね。
どんなだったというのはもはやハッキリは分からないから、やっぱり神社で柏手を打って拝むしかないけどね。

出雲vs天孫
平家vs源氏
西軍vs東軍etc

敗者の歴史は勝者に塗り潰される。
天の邪鬼ゆえわたくし、どうしても敗者側に惹かれてしまうところですが。
後の世のメッキを取り去った原初の姿。そういうものって気になるのぅ。と思いながら今日もページを繰ります。

※幽霊の話はまた機会があれば。
(需要ある?)


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