津田明日香(フリーアナウンサー)

ラジオのオープニングみたいな話をエッセイ風に綴ります。1995年生まれ。元ラジオ関西ア…

津田明日香(フリーアナウンサー)

ラジオのオープニングみたいな話をエッセイ風に綴ります。1995年生まれ。元ラジオ関西アナウンサー。ラジオと音楽とコーヒーが好き。ハングル検定4級。唯一全巻集めたことある漫画は『のだめカンタービレ』。一番好きな本は加納愛子著『イルカも泳ぐわい。』

最近の記事

過去の私へ。

春は寂しい、春がきらいだ。 寒いんだか暑いんだかはっきりしない気温のせいで、いつも服選びがうまくいかないし、よくわかんないけど忙しいし、花粉で毎日どこかしら不調でだるい。 それになぜだが無性に心が揺れ動く。 うまくいったことよりも、うまくいかなかったことばかりに気を取られ、数々の失敗を思い出してはため息を吐き、漠然とした不安が押し寄せてきては何かと焦らされる。 それもこれも、ぜんぶ春のせいだ。 そんな風に、毎年この時期になると荒くれていた私だが、意外と穏やかな日々を過ごし

    • 数年後の私へ

      いま、私が抱えている不安はあまり共感を得られないらしい。 まあたしかに、逆の立場であれば私もよくわかんないって思うだろうし、心が不安定な時期だったら「自慢か?このやろう」と攻撃的な気持ちになっていたかもしれない。 けど、いつかの自分が読んで「まだまだこの時は青かったんやな」と思えるように、この気持ちを残してみることにした。 厄介なのは、別に悩んでいるわけではないということ。ただ、その感情がふと心を掠める瞬間、私はどうしようもなく孤独になってしまうのだ。 直感でわかる。

      • 主人公になれなくても、

        何百回、何千回と聴いても胸がギュッとなる曲があります。 神田莉緒香さんの「主人公になれなくても、」 「わたしは特別じゃない」 という言葉から始まる歌詞が、その歌声が、特別になりたい私のどうしようもない劣等感を優しく包み込んでくれるからでしょうか。 私にとって10月は、大きな決断を迫られることの多いちょっと大変な月でした。東京での生活には少しずつ慣れていきながらも、新しい環境の連続に疲れ、ただお金は減っていくばかり。たまにあるオーディションにも機会を恵まれず、希望をもって

        • 永遠の憧れ。

          高校時代からずっと背中を追いかけてきた憧れの人、華子先輩。 アナウンサー人生の原点が放送部だというのはラジオでもお話ししたことがありますが、あの時出会っていなければ今の私はいない、そんな人との大切な記憶を語ってみます。 * * ■勧誘が強引すぎたおかげ 高校入学したての頃。 どの部活も勧誘が活発だったが、特に放送部の熱はすごかった。そこまで興味がなかった放送部の部室にほぼ無理やり連れて行かれ、何もわからないまま部長の話を聞き、勢いのまま見せられた紹介動画。 そこに映って

          引っ越し準備で涙が止まらなくなった話。

          引越し2日前のこと。 荷物をただひたすら段ボールに詰めて行く作業の最中、突然涙が溢れて止まらなくなった。 自分で買ったもういらないもの、人からもらった捨てられないもの。出演したラジオの進行表や、必死に書きなぐった取材ノート。 思い出が詰まりすぎた棚の中。 少しずつ綺麗になっていくのがなんだかとっても切なくて。 これまでの当たり前の生活が間も無く終わることを残酷に思い知らせてくるようだった。 自分で決めたこと。 これから始まる新しい生活はもっとわくわくするはず。 帰って

          引っ越し準備で涙が止まらなくなった話。

          退職から2ヶ月、2022年上半期が終わりそう。

          フリーアナウンサーになりました。 6月10日。今日。あやかれるものにはあやかっておこう!そんな気持ちで、天赦日と一粒万倍日の重なる最強開運日に開業届けを提出し、無理やりながら、今日から事業スタートということにしました。 ラジオ関西を退職してはや2ヶ月と10日。 初めはフリーでやっていくつもりも自信もなかったのですが、次が決まるまではこういう肩書きも悪くないよね、と少しドキドキしながらSNSのプロフィールを「フリーアナウンサー」に書き換えたのが4月のこと。 所用で去年の秋ぐ

          退職から2ヶ月、2022年上半期が終わりそう。