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コーアクティブ・リーダーシップの旅路が始まりました。

今月から、CTIジャパンが主催するコーアクティブ・リーダーシッププログラムに参加しています。このプログラムは、10ヶ月の間に4回のリトリートとその間の学びを実践していく内容です。先日、初回のリトリート1が完了した段階です。今日は、私のリーダーシップ参加前からリトリート1を経て、今、自分の中で起きていることについて書いてみようと思います。

1.中止となった前リーダーシップ

実は、このプログラムに最初に申し込んだのは、2019年の夏。自分に絶対的に必要な予感を感じ、意気揚々と申し込み、「来年は、リーダーシップの年だ!」と過ごしていた日々でしたが、コロナにより再開の目処が立たない状態での中止となりました。あの時は、世の中も未曾有の事態に混乱していて、様々なイベントも当然の様に取り辞めになり、私自身も大きな落胆はなく、今はタイミングではなかったんだなと受け入れた時でした。

その為、リーダーシップ後に行こうと決めていたコーチング上級コース(コーチング資格であるCPCCを取得する為のトレーニング)に1年前倒しで参加することにしました。計画通りにはいかないものだなと思いながら参加した上級コースで、私は、最高の仲間に出会うことになります。「マナフィー」というチーム名がついた9人とリーダーと過ごした半年間は、私のコーチとしての紛れもなく土台になった場所です。今、コーチングをご提供出来ているのは、この上級コースがあったからこそ。全力で取り組んで、切磋琢磨して、それぞれの舞台でチームのメンバーが活躍していることが本当に嬉しいです。

CTI上級チーム「マナフィー」


2.屋久島の旅

この数年で自分自身の環境も大きく変わりました。プロコーチエサレンマッサージプラクティショナー合同会社No Bordersの共同代表と、やりたいことを精力的にどんどんやってきた数年。振り返っても駆け抜けたと思います。会社員の頃の自分が、今の自分を見たら間違いなく驚くでしょう。それ位、変化に富んだ数年で、とても充実しているし、満たされているし、楽しい。だから、今年の夏に、リーダーシップ再開のお知らせを聞いた時に、もう自分には必要がないかもしれないと正直思ったのです。もう、タイミングは過ぎてしまったのではないか、と。でも、どこかで、『何か』がずっと引っかかっている。そんな状態でした。

その頃に、コーチ仲間と屋久島に行くことになりました。実は、内心、屋久島でリーダーシップに行くかどうかを決めようと意図を持った旅でした。きっと、『何か』が湧いてくると期待していたのです。屋久島の旅は、あまりにも素晴らしくて、圧倒的な自然の中で、ただただ、私は放心状態になりました。屋久島の里山の森のお手入れを体験させてもらったり、五感が喜ぶ食事をしたり、天の川が見える満点の星空を見ながら、心と身体と頭に風を通していきました。それを味わい尽くした最高の旅でした。


3.あなたの中心は何を求めているの?

面白いと思ったのは、屋久島で期待をしていたリーダーシップについての『何か』は、何も湧いて来なかったことです。あれ、変だな、想定と違うぞ、と。それどころか、屋久島から帰った私は、ひたすらポカンとしていました。日常を過ごしていてもピントが合わない状態だったのです。ゆっくりしたい。スペース、余白が欲しい。その気持ちを優先して1ヶ月ほどを過ごしました。お誘いいただく遊びや新しいお仕事も、楽しそうと思いながらもお断りをすることもありました。

私は、プロコーチになった今も、コーチングを受け続けていますが、その時に出したテーマは「何もしたくない」(思い返すとすごいテーマですね苦笑)。その1時間のセッションのことは、よく覚えています。セッションの終盤に、コーチから「あなたの中心は、今、何を求めているの?」と問われた時に、ポロっと「リーダーシップに行きたい」と口にしている自分がいたのです。大きなスペースを自分に与えたら、本当に大きなものが入ってきた。そういう感じです。そこからは、視界が一気にクリアになり、どんどん具体的に物事が進んでいきました。


4.忘れられないリトリート前日

リトリート1の出発前日のことを私は一生忘れないと思います。準備はどんどん進み、様々な日程調整も全て完了し、PCR検査も陰性で。さあ、いよいよと思っている矢先、リトリート前日の朝に祖母の訃報の連絡が入ってきました。寝起きで見たLINEの内容に、頭を金槌でガンっと撃たれた様な感覚が起こりました。ああ、そうなのか、悲しい、寂しい、辛い、なんで今日なの、おばあちゃん、おばあちゃん。色んな気持ちが一瞬で全身を駆け巡りながらも、リーダーシップに行くことに迷いがない自分がいました。

母に電話で事情を話すと、「おばあちゃんも絶対に応援しているよ」と言ってくれ、マイコーチには話を聴いて貰い、最後に「行ってらっしゃい」と見送って貰いました。その日は、クライアントさんとのコーチングセッションが沢山入っていて、お一人お一人と全力で関わらせていただきました。その合間に、おばあちゃんの大好物だったカステラを買いに行って、葬儀場に送りました。


5.いよいよリトリート開始

出発当日の朝6時。リトリート1の会場に向かう電車に座った瞬間に、ボロボロと涙がこぼれてきました。きっと、この数年で一番泣いたと思います。会場の最寄りの駅に着くまで、溢れてくる涙が止まることは無く、人目もはばからず泣きました(マスクをしていて良かった)。何故、自分が泣いているのかさえ理解できない涙。悲しい、寂しいという感情は越えていて、この電車に座って、リトリートの会場に向かっている奇跡と感謝をただただ感じていた様に思います。

リトリート1自体は、これまでに経験したことがない位、素晴らしい体験の連続でした。これでもかと心が震える瞬間が凝縮されていました。私はそれを全身で体感して、目撃して、分かち合って、思いっきり失敗もしました。とても濃密なプログラムに参加する一方で、今この時間は、おばあちゃんのお通夜の時間だな、明日はお葬式だなと考えることは、頻繁に内面の混乱を引き起こしていました。私は、今、故郷に帰らずに、何をやっているんだろうと。その度に、「このプロクラムに参加し、この場にいることを決めた。だから、一切の妥協なく、本気でやろう」と気持ちを強く握り直しました。おばあちゃんに失礼なことをしたくなかったのです。

お通夜の朝、おばあちゃんの肉体と丸一日一緒にいられる最後の日だと思い、朝の自然の中で散歩の時に見つけた2つの木片をスボンのポケットに入れました。翌日、私は、あるプログラムの中で、「どんなことがあっても自分が自分を裏切らない。自分で選択して進む」ことを今までとは違う次元で体得しました。それは、『自分との深い合意』でした。そして、合意をした場所に、ずっとポケットに入れていた木片の一つを埋めました。今、私の手元には、もう一つの木片があります。これ以上に最強のお守りってないよね!と思っています。

お守り


6.生きたいですか?

少し話を変えると、私は、30代になってから、明日死んでもいいと思う生き方をしようと思いながら過ごして来ました。その為の選択をしてきた自負もあるし、1日たりとも過去に戻りたいと思っていません。「与えられた命、生かされた命」を大切に使おうと思っていました。会社員の頃に、「毎日、明日死んでもいいかと自問自答している」と飲み会の場で話したら、上司に「なんて刹那的なんだ」と言われたこともあります。

でも、それは、私の思考の中では、「生きたい」には直結していませんでした。「生きたいですか?」と問われたら、まあ、それは、人並みにはYESなんだけど、果たして、全力のYESなのか。そんなモヤモヤをリトリート中に抱えていました。そのモヤモヤを今回リーダーのおひとりである山田博さんに昼食の時に話をしました。その時間は、とても尊い時間で、最後に、博さんに言われた言葉が今も脳裏から離れません。

「僕はね、今、(私の顔を見て)あっちゃんに話しているんじゃないよ、(身体を指差して)ここに話しているよ」。これは、私にとって、本当に大切なメッセージになりました。

トライブ(部族)名は、むすひ。
「むすび」の語源となった言葉です。


7.リトリート1を終えて

リトリート1から帰ってきて、濃密な1週間程が過ぎました。次のリトリート2までの間は、リトリート1での学びを実践していく時間です。その為、色々な事に挑戦したいなと思っています。日常が色濃く感じられるのは、私の命そのものが色濃くなったからだと思っています。

今朝、早くに散歩をしていたら、空がピカピカ光っていて、太陽が登ってきて、なんて美しいのだろうと感じました。その時に、ふわっと、心から、「お母さん、私を産んでくれてありがとう」という言葉が出てきました。そして、同時に、おばあちゃんの顔も浮かんできました。暖かくて、優しくて、包み込まれる様な気持ち。ふんわり緩んでいく身体の感覚を感じながら、ゆっくり残りの散歩をしました。全くnoteを書く気は無かったのに、ふと、書きたくなった自分がいて、今これを書いています。

今朝の散歩で見た景色


あんなに生きることが辛かった10代、なんで自分は生きているんだろうと思っていた20代。生かされた命を思いっきり生きようとしていた30代。そして、自分の命が生きたいと思っていることを、ようやく許可してあげる時が来た。そんな40代の幕開けです。

リトリート中は、起きた瞬間から、今日はどんなことが起きるんだろうとワクワクが止まらない朝から始まりました。お腹を抱えて、涙を流しながらゲラゲラ笑う昼。沢山失敗して、それでも回復する為に仲間とゆっくり過ごす夜。そんな素晴らしい毎日を過ごしました。リトリートという特別な時間だけでなく、これを日常の中で、毎日の中で実践していく。命が喜ぶことを、どんどんしていく。命をとどろかせていく。これが、これからの私がしていくこと。

これが、私の言葉です。


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