HACCPを上手く使うために㉗ ~原則6 検証 検証は何を確認するの?~
こんにちは! あたたけ です。
前回は『CCP工程の管理がうまくいかなかった時の対応』となる、
『原則5(手順10) 是正措置』について考えました。
今回は『管理がうまくいっているかの確認』となる
『原則6(手順11) 検証』です。
さて、以前の記事でもまとめましたが
原則3 CL、原則4 モニタリング、原則5 是正措置は、
『CCP工程の管理』ですが、
この『原則6 検証』は『HACCP(さらにはPRPまで)全体』を対象に
考えます。
以下のことが、現状のHACCPへの取り組みで起こりがちです。
研修や教科書などで見かける『CCP整理表』のフォーマットには
『検証(手順11)』『記録(手順12)』も入っていることが多い。
⇒検証や記録の対象を『CCP工程のみ』と考えてしまうことが多い。
⇒CCP工程以外の検証(からの継続的改善)が忘れられてしまう。
(フローダイアグラム、ハザード分析ワークシートなどが更新されない)
※元記事はこちらです。
さて、ここからは、あたたけ的検証のポイントをまとめておきます。
1.検証・妥当性確認、区別はついていますか?
検証:verification、妥当性確認:validationの違いというやつですが
そんなん、英語で言われてもわかりませんので!
『確認する』という括りでは同じです(モニタリングもそうですね)。
これらは何が違うのか、そもそも『行う時期』が違います。
妥当性確認 :ルールを導入する前(活動前)
⇒そのルールで目的が達成されるか確認
モニタリング:ルールを導入して作業している時(活動中)
⇒ルールが守られているか確認
検証 :ルールを導入した後、作業(製造)した後(活動後)
⇒ルールを守った結果、目的が達成されているか確認
歩き始める前が『妥当性確認』、歩いている時が『モニタリング』、
歩いた後のふり返り確認が『検証』というイメージです。
まぁ、この辺りは荒木先生のパクリですけどね。
(検証と妥当性確認の説明で一番わかりやすかったので。
良いものはパクらないと!)
2.検証は2つの視点を持つ!
簡単に言うと『やっているか』と『意味があるか』の2つの視点ですね。
それっぽく、ちょっと頭が良さそうに話すときは
『実施状況(やっているか)』『有効性(意味があるか)』と言います。
特に忘れがちなのが『(目的に対する)有効性』ですね。
あたたけが苦情対応などで工場確認に行った際に
『何かをやること』のみを考えて、
やって満足している会社が多いと感じます。
第二者監査≒取引先監査という性質上、
アピールしたくなる気持ちはわかりますが、、、、、
あまりにも度が過ぎると、
『何もわからないとでも思ってんの??』と
ご機嫌ナナメになってしまうことも。。。。
見方を変えれば、監査する側にも
『有効性を意識している人が少ない』『有効性を判断できる人が少ない』
ということでしょうか。
『やっていることの目的(=食品安全やビジネス上のリスク回避)を
キチンと意識出来ていない』とも言えるでしょう。
世の中の『やって満足』、この辺りはどうにか変えていきたいものです。
さて、話がそれました。
『2つの視点(実施状況&有効性)』はPDCAサイクルのCでも同じです。
あたたけが考える『PDCAサイクルの最大の壁』は
『教育(というより力量評価)が不充分でDができていない』ですが
この『CがDのチェックのみで、目的に対しての検証になっていない』
というのも、それに続く大きな問題となっている気がします。
これを回避するには
『Pの前提となる目的をキチンと考える。
Pを決めたら、的に対し、妥当性があるかキチンと考える。
Dが進んだら、目的が達成されているかの検証をする』
ということ、つまり、目的を常に意識することが大切だと思います。
HACCPに限らず、PDCAサイクルで継続的改善を目指す方は
『有効性の2つの視点』をしっかりと持ち、
『PDCAサイクルの目的』を見失わないようにましょう!
※特に、Dを自分だけでするような場合には、
やったことで満足してしまうんですよね。。。。。。
『頑張った!』という自己満足で。。。。。
いくらテスト勉強に時間をかけても、範囲が違うと意味がないですよね?
この『範囲が正しいか』という当たり前のことが、
『答えのない問題の解決』というものになると忘れてしまいがちです。
なぜなら、どんな解決法が正しいのかハッキリとはわからない状況だと、
やったことで満足してしまいませんか?
ちょっと長くなったので、今回はこの辺りで!
次回も検証の続きです。
『全体の検証をするための簡単な考え方』みたいな内容の予定です。
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