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食品安全、規格と文化 ~2つの関係性を考える!?~

こんにちは! あたたけ です。

先日、たまたま『食品安全文化』のご相談?いただきました。

あたたけは仕事で昨年くらいから本格的に『小売での食品安全規格に基づく管理の実践』に取り組んでいるのですが、『食品安全規格の実践には食品安全文化は大事』『文化は規格実践の前提条件』と感じることがあります。
ということで、今回はその辺りをまとめてみます。

1. 食品安全文化の目的は?

あたたけが考える食品安全文化の目的とは『人(従業員)を動かす』というものです。

ここ十数年で色んな食品安全規格(≒GFSI規格)が普及してきました。
そのおかげで『食の安全性を確保するためにどのような管理が必要か』というものは理解が深まった気がします。
日本での動きをざっくり言うと、『5SからHACCPへ、さらにマネジメントシステムへ』となるでしょうか。

一方、現実には食品事故がなくなったわけではなく、『〇〇規格認証工場』とかでも明らかな管理不良は発生しています(あたたけの周りに限っても)。

で、ルール自体は規格で示せても、その運用に関わる人をどうにかしないとダメという流れから『食品安全文化』というものが言われるようになったのかなぁと思います。
現場レベルの管理について『ルール(P)は規格で、ルール通りの作業(D)は文化で抑える』という意図でしょうかね。

2.そもそも文化とは?

さてさて、文化という言葉の意味って、何となくわかるようでわからないですね。
ということで、食品安全文化の定義というものを見てみると、GFSIの方針説明書には以下の記載があります。

組織全体にわたって食品安全に対する考え方と行動に影響を与える価値観、信念、規範を共有すること

食品安全文化 グローバル・フード・セーフティ・イニシアチブ(GFSI) による方針説明書

『行動に影響を与える価値観』ということですので、『その組織に属する人が明文化されずとも自然と自主的に取り組んでいること』『組織内での共有認識』という感じでしょうか。
うーん、言葉にするのが難しい。。。。

ちなみに、『価値観』『共有認識』という言葉だけ見ると、『どんな指示だろうと盲目的に従う』というようなブラックな文化でも良いの?と言う人もいるかもしれませんが、コーデックスには『オープンで明朗なコミュニケーション』との記載がありますのでそれは論外です。

つまり、食品安全文化での文化とは『自主的』『明朗』というような言葉で示される、前向きな姿勢がベースにあるってコトですね。

3.食品安全規格を使う目的は?

食品業界ではFSSCやISO、JFS等、いろんな食品安全規格の認証制度が普及していますが、その目的は組織によって様々な気がします。
本来は『管理体制の整備⇒製品の安全性確保』に集約されるはずですが、規格認証の目的を世間へのアピールや取引要件の1つで終わらせている組織がけっこうあるなぁと。

さて、規格認証は(食品安全管理上の)ゴールなのでしょうか?

認証がゴールだと考えている人って、やっぱり『審査当日』をメインに考えている気がします。
極論『審査当日に文書等が整っていること』ができてれば良いんですよね。
『何年も規格を維持してる!』という組織であっても、定期審査・更新審査にあわせた準備をしているようであれば結局は同じことでしょう。

でも、それでは意味がないのです。
『日々、規格を活用することで安全性を確保する』のが目的ですから、認証はあくまでもスタートラインのはずです。
認証取得というのも『それなりに仕組みが整った』という目安でしかないのです。
更新審査に対しても日々キチンと規格を運用できていれば、審査当日はただの通過点でしかなく、特に準備も不要で良いはずなんですよね。

理想論すぎるとは思いますが、その理想を持ってない組織が多いことが、結局は食品安全文化という、日々の活用に大きな影響を与えるものが大事と言われることになったんだろうなと思います

・・・・まぁ、認証(というか審査を乗り切ること)をゴールと捉える気持ちもわかりますけどね。
たぶん、入試等での燃え尽き症候群と同じことでしょう。
『評価されるチェックポイントが大きいほど、その先を考えられなくなる』というコトって、あたたけもよくハマりますから。。。。。

『規格に基づく日々の運用』が難しいのは、結局のところ制度面ではなく心理面での問題なので解決が難しいのでしょう。
で、この心理面の解決に向けて示されたのが『食品安全文化』なのかなぁと思います。

さてさて、そんな流れで食品安全文化が食品安全規格に組み込まれて来たとあたたけは考えています。
が、この先出てくる?もう出てる?のは『食品安全文化は規格要求事項の1つ』という誤った認識でしょう。

ちょっと長くなったので続きは次回に。今回はこの辺りで。
『食品安全、規格と文化の理想的な関係?』みたいなテーマでしょうか。

※せっかくですので、あたたけがまとめた食品安全文化の過去記事でも。

これからの食品安全|あたたけ|note

ではでは。今回はこの辺りで!

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