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HACCPを上手く使うために㉕ ~原則4 モニタリング 難しさと数、どっちが手間?~

こんにちは! あたたけ です。

前回は『CCP工程の管理がうまくいったかの判断基準』である
CLについて考えました。
今回は『CCP工程の管理がうまくいったかの確認方法』である、
『原則4(手順9) モニタリング』について考えます。

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モニタリングは『CCP工程の管理がうまくいったかの確認方法』であり、
CLに対しての逸脱がないかを確認し、
逸脱時にはすぐに対応(最低限、次工程に進むことを止める)が
できるように設計します。
ですので、ポイントとしては、
①速やかに、②連続的に、③明確な結果が得られる、
ということが挙げられます。

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ですが、モニタリング方法(=何を、どのように確認するか)は、
ハッキリいって、CL次第です。
ですので、前回、CLを考える際には
『モニタリングの速度と精度を踏まえて考える』ことを書きました。

もっと言えば、HACCPの手順では、
原則3(手順8) CLの設定
原則4(手順9) モニタリング と別になっていますが、
『実際の製造現場で使いこなせるか』を考えると、
この2つ(さらには、次の是正措置まで)は、
一緒に考えた方が良い
のかなと思います。

ただし、1つのCCPに対し複数のCLを設定した場合には、
それぞれのCLに対し、モニタリング方法を決める必要があります。

また、これらは複数の工程で管理が必要となる可能性もあります。
例えば、『加熱』を考えた際、加熱時間や温度は加熱工程の話ですが、
食品の大きさや厚さ、加熱前の品温などは
成型や下処理といった工程で管理することが必要な場合があります。

というような話をすると、
『管理することが増える、やっぱり1つ(中心温度など)の方が楽では?』
と、考える方もいるかもしれません。

『1つでも難しいモニタリング』にするのか、
『簡単だけど複数のモニタリング』にするのか、
それはその組織の考え方次第で、正解はありません。
前回の記事にも書きましたが
『難しさ』を『力量』で抑えることは可能ですからね。

ちなみに、あたたけとしては、大量生産の現場では、
モニタリング精度の問題(難しいものは精度が下がりがち)や
安全だけでなく『規格通りの製品、安定的な美味しさ』の問題
(大きさや加熱前品温がばらつくと、『買うたびに違う製品』となる)など
を考えると、『簡単だけど複数のモニタリング』の方が良いと思います。

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さて、『実際の現場で』ということを考えると、
精度を維持する(=人によるバラつきを抑える)ため
モニタリング方法は出来る限り具体的に決めることが大切です。

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ここでの『測定方法』が『難しさ(≒精度)』に繋がります。
ちなみに中心温度の何が難しいって、
『きちんと中心をはかる』のが難しいのですが
その精度を上げるため測定用の器具を作られている工場があり、
素直に感心したものです。

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それでは、今回はこの辺りで!
次回は『原則5(手順10)是正措置』です。

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