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HACCPを上手く使うために㉙ ~原則7 文書&記録 文書は整理する!~

こんにちは! あたたけ です。

今回はHACCPの『原則7(手順12) 文書&記録』の話です。
(ようやくここまで来た。。。。。)

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1.文書と記録ってそもそも何?(定義)

JFS-C規格文書では次のように記載されています。

文書(document):情報及びそれを保持する媒体
記録(record) :達成した結果を記述した、又は実施した活動の証拠を
         提供する文書

ISO22000:2018では、
文書化した情報(documented information)とまとめられ、
『維持(maintain)すべきもの≒文書』と
『保持(retain)すべきもの≒記録』みたいな感じになっています

と、それっぽく書いてみましたが
『正しい定義』ばかり考えてもよくわかりませんので、
以下のような理解で良いのではないかと思います。

文書:考え方や手順をまとめたもの⇒常に最新版に更新する!
記録:作業の結果を残したもの  ⇒一度、記録に残したら書き換えない!

HACCPで考えると、7原則12手順で作成するのは『文書』ですね。
それらを元に、現場で作業した結果(モニタリング&是正措置)や、
検証や文書の更新をしたことを『記録』として残していきます。

ちなみに、PDCAサイクルで考えると、
『P』で考えたものが『文書』、『D』の結果が『記録』
になります。

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ちなみに、文書や記録と言われると
『紙』『文字』をイメージする方がいるかもしれませんが、
それにこだわる必要はありません。

『必要な時に見られる』『見れば内容がわかる』
『文書は更新できる』『記録は書き換えられない』
というような要件が満たされれば、なんでもOKでしょう。
(音声、画像、チャート、電子記録 などなど)

2.文書っていろいろあって、わからなくなる。。。。

文書とは『考え方や手順をまとめたもの』としましたが、
食品企業で見かける失敗?パターンが
文書が乱雑になっていて、誰も把握しきれていない』というものです。

何かあるごとに新たにルールを作ってしまい、
同じような内容でちょっと違う手順書が複数ある、
あるいは、最新版がどれかわからなくなっている、などなどでしょうか。

こうならないよう、『文書を整理する』ことに取り組みます。
会社に文書管理規定などがあれば、それに乗っかるのが一番楽です。
ない場合にはどうするのか、少し考えてみましょう。

さて、文書と簡単に言ってはいますが、
『会社の考え方をまとめたもの』と
『現場での具体的な手順をまとめたもの』では使い方、使う人が違います。

さらに『手順』には『目的(≒何かしらの管理対象)』があります。
その目的を明確にするのが『会社としての考え方』に該当するものです。

というようなことを踏まえると、あたたけ的には
『考え方(上位文書)』と『手順(下位文書)』を
分けて・関連させて整理する
ことが望ましいと思います。
記録は『手順の下位文書』と言えますね。

法律の体系も同じような感じでしょうか。
(憲法⇒法律⇒政令・施行令⇒省令・施行規則⇒告示⇒通知)

FSSC22000などの認証時にも
まず、『考え方』として『〇〇マニュアル』と呼ばれるものを作成し、
各項目の下位文書として、関連する手順を整理していることが多いかと。

HACCPに限定して考えると、
7原則12手順で作成するものが『考え方』に該当します。
CCP整理表に関しては『CCP工程の管理手段を示したもの』として
『手順(≒ハザード分析ワークシートの下位文書)』とした方が
良いかもしれません。
同じような考え方で、各種PRPの手順(SOP、SSOPと言われるもの)は
ハザード分析ワークシートの下位文書となりますね。

ちなみに、考え方(上位文書)の根拠となる文書は
『関連文書』として、『考え方』に紐づけておくと良いでしょう。
※『考え方』『手順』『記録』は自分たちで作る『内部文書』と考え、
 その対比として『外部文書』としても良いかもしれません。

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文書管理で混乱が起こる大きな原因は、
『考え方』と『手順』が入り混じってしまうことです。
なんとなく文書を並べるのではなく、
それぞれの性格にあわせて分類、紐づけしてみましょう。

ちょっと長くなったので、今回はこの辺りで!
次回は『記録』について考えます。

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