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がんと共に生きる⑧家族の存在

わたしは今年4月に再婚した。6月末に親族だけで結婚式をして、7月に披露パーティーや新婚旅行に行き、新しい人生をスタートしたばかりだった。

夫は初婚で、誰に対しても優しい、私にはもったいないくらいの夫。歳上でバツイチで子どもを授かる確率も低い年齢の私と結婚するのは、ただでさえ悩んだはず。

かつ、新婚旅行から戻り地域のお祭りも終わって、病院に行ったら、がんの診断。彼が背負うことになった人生は重すぎる。

私にとっては彼がいなければ、今の状況を受け止めることすら困難だったと思う。独り身で、生きる気力も無くなった可能性が高いし、実家も距離があるので、1人でどう対応したのか想像もできない。ましてや、セカンドオピニオンの選択も、病院とのやりとりも自分ではできなかった可能性もある。

わたしにとってはこの結婚は最高にラッキーでハッピーだった。が、彼にとってを考えると気持ちが沈む。「こんなわたしでごめんなさい」何度も口から出てしまい、夫はそのたびに「そんなこと気にしないで」とわたしをなぐさめてくれる。それでもこの気持ちは消えることはないと思う。結婚前に検査していれば、、、と。

彼のご両親も親戚もわたしのサポートを全力でしてくださる。ちゃんと家族として私を受け入れてくれていることがわかる。ありがたいし、心苦しい。早く治す以外の恩返しはないのだと、思ってる。

実家の両親や弟、妹も心配をしてくれていることがわかる。彼らの誰かが病気になったら私だって心配で気になって仕方がないと思うから、気持ちはわかるし、ありがたい。一番強くたくましい私が病気になる想定は親でもしていなかったがゆえ、ショックは大きかったであろう。

病気になって、家族の存在がものすごく近く感じられる。やはり、無条件に愛してくれる人たちの存在は貴重だ。支えになる。近くにいる夫のサポート、献身は、泣けるほどで、恵まれた病人だな、わたしは、、、といつも思うのだ。

家族には家族の辛さがある。自分が病気になる以上に辛いこともある。そして、そのことを病人の私には伝えにくい。みんな私が一番大変と思っているから。でも、家族の辛さはまた別の辛さだから、誰かに辛いと言えるとよいのだけれど。私だってもし家族が病気になったら、毎日、泣いてしまうかも知れない。家族が抱える混乱や辛さにも寄り添ってくれる存在は必要だよね。

今は夫の心が少しでも健やかであることが一番の望み。わたしとばかり向かい合っていると苦しいと思うので、仕事もお友達との付き合いもできるだけ大切にしてほしいと思っている。話を聞いてくれる存在が近くにいてくれると嬉しいな。

と、家族の心配をすると、私の家族たちは、怒る。自分のことだけまずは大切にしなさいと。そんな家族がわたしは大好きで、自慢なのである。病気になってみて、なおさら、この家族でよかったと、齋藤家にも小林家にも思うのだ。

早く家族を笑わせたい。あのときは大変だったねと、このことが過去のことになりますように。

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