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銘柄研究NO1 インプレスホールディングス② 〜業界のメインプレイヤー〜

今でこそ、大きい書店には検索用のパソコンがあり、本も探しやすくなりましたが、以前はお店によって出版社順や、著作者名順、題名順などバラバラに並んでおり、探すのが大変だなと思っていました。逆から考えると、書店員の方は、新しく届いた本を所定の位置に並べ、引き揚げるべき本を売り場から探して回収することになります。自動販売機のように、検索した本が自動で出てくる仕組みがあれば、本の並べ替え等なくなり楽になりませんかね?とはいえ表紙を見ながら本を選ぶ楽しみもあります。

さて出版業界は、これまでコンテンツを創作、企画やPRを担う出版社と、流通を担う出版取次会社、消費者に届ける販売の役割を担う書店に分かれていました。

私たちが書店で目にする本は、各書店が出版社から直接仕入れているわけではなく、取次会社を経由して委託販売という形で店頭に並んでいることになります。

この取次という仕組みのおかげで、出版社は全国の書店に本を届けるという手間とコストをかけることなく、多数の書店で本を置いてもらえます。

また書店側としても、それぞれの出版社と交渉や調整する必要もなく様々な本を仕入れることができるという双方にとってのメリットがあります。

取次会社は2者の間に入り流通機能や情報伝達機能を果たすことで、利ザヤを得ます。現在は日本出版販売とトーハン2社の寡占状態です。

雑誌書籍両方を扱う日本の取次と言う仕組みは、世界的に見ても珍しい仕組みのようです。

戦時中の出版流通統制がもともとの始まりで、大正時代には雑誌配送のルートに書籍も一緒に乗せるようになり、日本の出版業界は取次のおかげで、書籍、雑誌、マンガ、文庫など安価な出版物を全国に流通させることができ、アメリカに次ぐ世界第2位の市場規模まで成長しました

しかし今この構図が大きく変化しております。

取次を介さずに出版社から直接書籍を購入し、販売する「買い切り」方式でのアマゾンの参入とデジタルデータで完結する電子書籍の登場です。

次回は現在出版業界で起きているこの2つの変化に関してみていきたいと思います。

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