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『かくとだに えやはいぶきの さしも草 さしも知らじな もゆる思ひを』藤原実方朝臣

《意味》
このようにあなたに恋をしているとさえ言うことが出来ないのですから、伊吹山のさしも草のように燃える私の恋心を、あなたは知るよしもないのでしょうね。

技巧のオンパレード。渾身のラブレターです。
藤原実方は、円融院や花山院という平安時代の天皇家に気に入られ、宮中の花形として活躍していたと言われています。もちろん女性にも大変モテたようで、なんと20人以上と関係があったとか、そしてその中には清少納言もいたとか言われています。
そんな実方の人柄が垣間見えるエピソードとして残っているのが、桜狩の歌にまつわる話です。

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