![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/114145621/rectangle_large_type_2_bf0f44d5ec5e815061720254112b1fad.jpg?width=800)
『八重葎 しげれる宿の さびしきに 人こそ見えね 秋は来にけり』恵慶法師
《意味》
幾重にも重なってつる草が生い茂るこの寂しい住まいに、人は誰も訪ねてこないけれど、秋だけはこうしてやってきている。
静かに静かに、訪れる秋。季節の移り変わりが切なく、しかしあたたかい一首です。
詠まれている「八重葎のしげれる宿」、こちらは以前「みちのくの」でご紹介した源融が建てた河原院のことだと言われています。
河原院といえば豪華絢爛を尽くした別荘、風流を愛するたくさんの人々が訪れ、華やかさの象徴であった場所です。陸奥国の塩釜の景色を再現するために、毎日何百リットルもの海水を運ばせる贅の尽くし方。在原業平はじめ多くの歌人たちが足を運んだとされています。
そこから100年の時が経ち、華やかさは見る影もなく、「荒れたる宿」とお題になるまでになってしまった。
しかしさすが河原院、「荒れたる」と言っても、そこには侘び、さび、風流さが残されており、歌人たちが想いを馳せる場所でした。
ここから先は
934字
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/67223896/profile_b33d31589d24057f47005ace1b37101b.jpeg?fit=bounds&format=jpeg&quality=85&width=330)
毎週水曜日に更新。AuDee「あすなのいろはおと」をより深く楽しんでいただける情報をお届けします。番組に届いたお便りの返信も音声にて配信!ぜひ一緒に楽しんでください。
読んで楽しむ「いろはおと」
¥600 / 月
AuDeeにて放送中の百人一首と音楽を掛け合わせる番組「いろはおと」で取り上げた歌の解説と手書き原稿の公開をしています。 また、番組でいた…
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?