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HSPは作業療法士に向いている!?

ご覧いただきありがとうございます。精神科作業療法士×切り絵作家として活動しているくのいちです。

以前こんな動画を出しました。

「作業療法士に向いている人の特徴5つ・向いていない人は?」


この動画の中で、向いている人の特徴としてHSPのお話をしました。

この記事では、なぜHSPが作業療法士に向いているのかという理由について、深堀していきたいと思います。そして今回も動画にしておりますので、活字が苦手な方は動画でご覧いただければ幸いです。


では本題に入らせていただきます。以下、2725文字あります。


簡単に自己紹介をさせていただきますと、私は現在精神科作業療法士歴5年です。HSPという特徴を持っています。


HSPとは

まずはHSPについて詳しくお話していきます。

Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)の略で、人一倍繊細な気質をもって生まれた人という意味です。

病気ではなく、穏やか・頑固・几帳面などの、性格の特徴のことを言います。こうした気質を持つ人は職場や家庭など生活の中で気疲れしやすく、生きづらいと感じているタイプの方が多いです。

HSPの人にはこのような特徴があります↓

・想像力が豊か

・感覚が鋭いので、お世辞や本心ではないことをすぐに見抜いてしまう

・人の気持ちに振り回されやすい
・共感能力が高い
・怒っている人を見ると、「なんかしたかな?」と気になる
・映画や本などの登場人物に感情移入し、号泣する
・気持ちを察する能力が高い
・人混みや大きな音、騒音が苦手
・人といると楽しいが、家に着くとぐったりしている
・人の些細な言葉に傷つき、いつまでも忘れられない

また、5感が鋭いという特徴もあります。

・冷蔵庫の機械音や時計の音が気になるほど聴覚が敏感
・強い光や日光のまぶしさなどが苦手
・人の口臭やタバコの臭いで気分が悪くなる
・カフェインや添加物に敏感に反応してしまう
・肌着のタグなどチクチクする素材が我慢できない
・第六感がはたらき、よく当たる

このような特徴があるため、疲れやすいです。生まれ持った性格の特徴ですので、治すことはできません。生きにくいと感じる人も多く、自己肯定感が低くなったり、ストレスを溜め込みやすいので、うつ病との関係性もあります。

しかし、何度も言いますが性格の特徴ですので、仕事に活かすこともできます。


HSPは作業療法士に向いていると思う理由

先述したとおり、HSPの人は想像力が豊かで、共感能力が高いです。この2つは作業療法士に最も必要なものだと言えます。

私は精神科で働いて6年目になるのですが、患者さんが発するサインに気付くことには自信があります。

自分がHSPだと気づいたのはOT4年目の時でした。

それまでは、作業療法が終わって、カルテを書きながら他の職員と「○○さん今日は調子悪そうでしたね」と言うと、「そう?」と返されることが多く、『私が気にしすぎかな』と思っていました。

当時は新卒で自分に自信もなかったので、他の職員と意見が食い違うと、すぐに方向転換していました。でも、それから患者さんが調子を崩していく姿を見て、いや、私の観察力はあてになるぞと思うようになりました。

自分がHSPだと分かってからは、尚更自分の観察力に自信を持つようになりました。

私は作業療法士としてまだまだ未熟ですが、自分が持っているHSPという特性は、この仕事に生きているなと思います。

また、HSPの人は、自分自身が生きにくい思いをしていることが多いので、患者さんの気持ちに寄り添うことができます。

さらに、とても丁寧に患者さんと信頼関係を構築していくこともできます。



知識を得ることで、生きるお守りになります。

作業療法士を目指す過程、または作業療法士になってからも、心理学や精神機能、対人技能についての勉強をすることになります。そこで身に着けた知識は、自分の身を守ってくれます。

知識を身に着けることで、ストレス耐性が高くなります。

疾患に対する知識や認知行動療法や心理学、その他傾聴のテクニックなどは、日常生活で自分のために活かすことができます。

私も普段の生活の中で、アサーションスキルを使ったり感情のラベリングをしたりしています。

作業療法士なる過程で身に着ける知識は自分のことを守ってくれます。


HSPの人が作業療法士になる時の注意点

 HSPで作業療法士の人は、患者さんとの関係というよりも、他の職員との関係で気疲れを起こしやすいです。どんなに知識があると言えど人間ですので、ストレス発散はこまめに行ってください。

HSPの人はただでさえ人に影響されやすいので、患者さんとの距離感や、他の職員との距離感は意識しておきましょう。近づき過ぎるとやけどします。

出会ってすぐに距離感を詰めると疲れてしまいますので、ゆっくりと信頼関係を築いていきましょう。

療法のあとに「あ~あれ言わないほうが良かったかなぁ」と自分の発言を振り返って落ち込む日もあるかもしれません。自分の発言が患者さんにどんな影響があるか、怖いですよね。

でも、それで良いと思います。

常に自己分析している状態ですから、自分は疲れますけど、作業療法士としての自分には自信を持ってください。

全く自分を振り返らない人よりはるかに良いです。


HSPで作業療法士の人は、他の職員からの目も気になるので、最初は職場で自分らしさを出すことも難しいです。つまり、作業療法の治療原則「自己の治療的利用」が難しいのですが、その職場での経験年数が長くなると徐々にやりやすくなるので、新卒の方は自分らしさが出せないからと悩む必要はありません。

同じ職場に長く居ろという意味でもありません。自分の知識は自分のために活かしてください。それでも無理な時はすぐさま逃げてください。自分のメンタルが健康でいることが一番です。


まとめ

HSPの人が持つ共感能力・想像力・感覚の鋭さは、作業療法士としてすごく役立ちます。ただ、自分のメンタルを保つには注意点もあるので、人との距離感とストレス発散を意識していきましょう。


最後までご覧いただきありがとうございました。


活動報告

クラウドファンディングコミュニティを運営しています。作業療法ができるアーティストになるために活動しています。地域で作業療法を行っており、次回は7月25日に長崎県佐世保市でワークショップを行います。

コミュニティでいただいたご支援を材料費や会場レンタル代に充てさせていただいています。コミュニティのメンバーを随時募集しています。


ココナラでお悩み相談を行っています。

最近HSPの方からのお悩みも多く寄せられています。どのようなお悩みでも、お気軽にご相談ください。


記事を読んでくださりありがとうございました。辛い思いをしている人が少しでも楽になりますように。