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HSPに向いている仕事?精神科作業療法士の働きやすさについて

以前私は、HSPは作業療法士に向いているというお話をしました。HSPとはよく気が付く繊細な人のことです。

なぜHSPは作業療法士に向いているのか

作業療法士は共感能力や想像力が必要なため、HSPの気質を役立てることができます。

というお話に対し、YouTubeのコメントで作業療法の詳しいことについてご質問をいただいたので、今回はそれにお答えしていきたいと思います。

質問者さん、作業療法士になったあとの他の職員とのコミュニケーションを不安に思われているようです。

この投稿はYouTubeに動画としてまとめていますので、よろしければチャンネル登録お願いします(^^)

以下、3798文字あります。


まずはコメントを読み上げます。

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沢山のご質問ありがとうございます。


まず、くのいちは作業療法士歴6年目です。

精神科デイケア、介護老人保健施設、認知症治療病棟などでの勤務経験があります。就職して、最初の病院は2年で退職をして、すぐに次のところで働き始めて今に至ります。

最初の病院は病床数約200、作業療法士5人の比較的小さな病院でした。

今働いている病院は病床数約750、作業療法士34人のとても大きな病院です。

ですから小さい病院の雰囲気も、大きい病院の雰囲気も、どちらもお話できるかと思います。


作業療法士の学校について

作業療法士になるには、高校卒業後、4年間大学に行くか、3年間専門学校に行く必要があります。学校での勉強を終えた後、国家試験に合格したら晴れて作業療法士になることができます。

国家試験を受けるのに年齢制限はありませんので、何歳の人でも作業療法士を志すことができます。

私が通っていた学校の同じクラスにも、30代の人が2名いました。クラスの3分の1は現役生ではない、年上の人たちでした。覚えることがとにかく多いので、その点で年上組の人は苦戦していたようです。

しかし、作業療法学生がなかなか病みやすいのが実習なのですが、実習に関して言えば、一度社会人経験をしている年上組がはるかにメンタル安定して実習に臨んでいました。

くのいちは実習で病んで、作業療法士になるの諦めて歌手になろうと思ったことがありました。


作業療法士が働いている領域

作業療法士として働き始めて、どの領域で働き始めるかによって他の職員とのコミュニケーションの量は変わってきます。身体障害領域と精神障害領域を比べると、精神障害領域のほうがコミュニケーションをとらないといけない頻度は多いです。

作業療法士は主に身体障害、精神障害、発達障害、老年期障害の4つの領域で働いています。作業療法士という資格を元に、フリーランスとして働いている人もいます。

働き方の自由度が高いのが作業療法士最大の魅力といっても過言ではありません。自分の性格に合わせて、どの領域で仕事をするのかを選ぶことができます。


作業療法士の1日の流れ

私が勤務している精神科での1日をご紹介します。

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精神科は2時間1単位と決まっています。見ての通り分刻みでカツカツした感じではないので、患者さんとゆっくりお話する時間があります。

作業療法活動中も他の職員との会話もあります。

ですからすごく人との関わりが多い仕事です。

身体障害領域で働いている同僚に話を聞くと、スケジュールかつかつだという話も聞きます。回復期じゃなくて急性期だと尚更ですね。

私が働いている精神障害領域の方が、1単位の時間が長いので患者さんと関わる時間も長いですが、集団での作業療法活動が多いので、1人1人個別で密な関わりができるかというと…それは職場によるかと思います。

その病院がどんな治療に力を入れているか、各々の特色があります。個別に力を入れている病院もあれば、集団に力を入れているところもあります。

どちらが良いというわけではなく、患者さんの目的に応じてなので、どちらも必要なのです。

質問者さんが気にされているのは、患者さんと1対1で関わることができるかという点でしたね。これは、その患者さんの治療目的によります。対人緊張が強くて、人と話すのが苦手な人はまずは個別で、1対1でコミュニケーションを行います。

集団活動に参加して仲間作りを行うことが目的の患者さんに対しては、小集団(大体3~8人くらい)の中にスタッフ数人がいることもあります。

その際、患者さんと関わる時に他のスタッフから見られていると感じることはよくあります。しかし、反対に、見られないと危ないです。特に新人の時は

自分の対応間違ってないかな?

と不安になることもあるので、他のスタッフからフィードバックを貰うことで、自分のことを振り返ることができます。ずっと誰にも見られず、自分が思った通りにしていると、価値観が偏ってしまうことがあります。


患者さんとのコミュニケーション

よく「精神科で働くって大変そう」と言われるのですが、世間的なイメージよりは大変ではないと思います。

私が全く畑違いの仕事をしている人からよく言われるのは、

「うつ病の人の話聞いたらこっちも病みそう」

「急に殴られたりせんと?」

という話があるあるです。うつの話を聞いたらこっちが病む、急に暴力を振るわれる、完全にゼロな話ではありませんが、そうならないために私たちは学校でもコミュニケーションや対応の勉強をしますし、作業療法士になってからも研修を受けます。

入院患者さんの中に暴力的な人はいはしますが、これも精神科に限った話ではありません。入院もせずその辺で暮らしている人の中にも暴力的な人はいますよね。だから「精神科だから」大変なのではありません。患者さんたちの場合はその暴力性が、症状によって引き起こされているので、治療を行っているという段階です。


職員同士のコミュニケーション

患者さんとのコミュニケーションよりも気疲れするのが職員とのコミュニケーションです。

お互いがお互いのことをよく見ているので、その集団の中に噂好きな人がいたら疲れます。「え、こんなとこまで見てるの?」というようなことをよく言われます。

これは作業療法士に限った話ではなくて、どの職種でもそうだと思うのですが、よく人のことを見ている人がいたら気を抜けなくなりますよね。

作業療法士の仕事は人を観察して評価して治療計画を立てることなので、職業柄、職員同士もお互いのことをよく見ています。気づくだけなら良いのですが、それを言って回る性格の人がいたら疲れますね。

私は噂話を聞いてもすぐに忘れてしまいますし、どの職員がどんな車に乗っているとか、誰と不倫しているとかの話に興味がないので、ゴシップ好きの人を見ると「なんでそんなに他人に興味があるんだろう」と思ってしまいます。

質問者さんから「他の職員との関係で辛くなることはありませんか?」と尋ねられましたのでお答えします。くのいちは辛くなることがあります。

医療職の退職理由ランキング1位は人間関係、2位はサービス残業の多さ、3位はスキルアップのためとなっています。このランキング、個人的にも納得です。やはり人間関係は面倒だなと感じることがあります。職場にもよりますが、サービス残業も多いです。「残業」ではなく「サービス残業」というところがポイントですね。

スキルアップのための転職が多いのも医療系あるあるだと思います。複数の職場を見ているほうが比較ができますし、色んな人と出会うことで視野が広がるので、私自身も転職はおすすめしています。


まとめ

今回は質問者さんの回答にお答えする形で、現場でのコミュニケーションについてお話をさせていただきました。

コミュニケーションの頻度は働く領域によっても異なりますし、職場によっても異なります。作業療法士は働き方の自由度が高いので、ご自分の性格に合わせて、選択していくことができます。私自身は作業療法士になって良かったと思っています。様々な疾患についての知識を得ることで、自分自身が生きやすくなりました。

でも来世も作業療法士になりますか?と聞かれたら、実習が嫌過ぎるので別の仕事をするかもしれません(^-^;


質問者さんは今の職場を辞めて専門学校に行こうかどうか悩んでいるとのことで、とても勇気が必要ですよね。どの道を選んだとしても応援しています。この先どんな道を選ぼうと、一人で悩んで抱え込まないでくださいね(^^)

素敵なテーマでのご質問ありがとうございました。



CAMPFIREコミュニティ

病院内だけでなく、地域で作業療法を行っていくために、切り絵作家として独立したいと思っています。精神障がいや発達障がいのグレーゾーンの方を支援していきたいと思っています。この活動を応援してくださる方がいらっしゃいましたら、詳細をご覧いただけると嬉しいです。↓


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ありがとうございました!


記事を読んでくださりありがとうございました。辛い思いをしている人が少しでも楽になりますように。