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チーズ工房の話

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両親の牧場の牛乳を使って、美味しいチーズを作るのが中学生の頃からの夢でした。 農業高校や酪農学園大学で学び、十勝にある半田ファームでチーズ作りを学びました。 今でも試行錯誤の日々…
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2020年9月の記事一覧

直売所というコミュニティスペース

私達の町には、ぽぽんた市場という農産物直売所がある。 町の花である「たんぽぽ」を逆から読んで、「ぽぽんた」。  その名の通り、今流行りのマルシェ風のオシャレな直売所ではないけれど、農家の人が作った規格外の野菜が安く売っている、昔ながらの直売所だ。  農家の人達は朝が早い。  早起きして、収穫して、10時の開店に間に合うように、野菜を持ってくる。  お客さんも朝が早い。  近くにある道の駅は、キャンピングカーの愛好家の間で有名だ。  温泉があって、駐車場が広くて、

チーズ工房を始めたきっかけの話

私は子供の頃、本を読むのが好きな子だった。 今のように、ネットで色々な記事を読める時代 ではなかったので、 学校の図書館で借りる本と少ないお小遣いで 買う本を読むのが、楽しみだった。 それでも、すぐに読む本は尽きてしまう。 そんな時は、酪農家である我が家に届く 酪農雑誌を読んでいた。 月刊誌が毎月3、4種類、届いた。 内容は乳牛の飼育方法など、 専門的な内容が多かった。 始めは内容が面白かったというよりは、 活字に餓えていたから、読んでいた。 当時は

チーズ工房、建設の話

地目変更今から10年以上前、牧場の敷地内に チーズ工房を建設することになった。 敷地は沢山あった。 牧場だから。 じゃあ、気に入った場所、どこでも 建てられるかというと、そうはいかない。 農地法という法律がある。 牧場の敷地内は「農地」という地目に なっていることが多い。 実は「農地」に商業用の施設を建てる のはとても難しい。 農家は儲からないけど、カフェや工場 を建てたら、儲かるよね。 そう考える人が多くなると、 畑や田んぼが無くなる。 そした