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ディア・ファミリー


あらすじはこちら↑

決してお涙頂戴の映画ではなかった。

父親が娘のために奮闘する話なのだけど、決して1人で成し遂げたのではなく、父親が周囲の感情を動かして成し遂げた出来事。 

愛、諦めない気持ち、そのようなものを感じた。

為せば成る 時代背景もあってのこの考え方。

筒井ファミリーの強さは持てるだろうか…と思った私が考えたこと・気になったことを、このnoteにまとめました。

家族とは

近くにいることが家族なのか。
私が育ってきた家族は、両親ともに子が小さい頃は夕方までの仕事で、当たり前に家族みんなで夕食を食べていた。その日の出来事や思いを夕飯前後で共有していたんだよね。

いつの間にか刷り込まれていた私の考え。
“家族は毎日顔を合わせて思いを共有する“

映画の主人公、大泉洋さん演じる宣政さんは、何かに没頭すると家族との時間を割いてでも、ゴールに向かって突き進んでいて。
ふと私の思い込みが出てきて、理解不能に陥る。

家族を無視してまで?もっとこの子を見てよ!
菅野美穂さん演じる妻の気持ちになる。

けれど、その後の会話で私は気づくんだよね。
“毎日顔を合わせなくても、思いが共有されていればいいのか“

この家族は、もともと思いを共有する機会を多く作っていたと推測する。
家族の誰かに気持ちに余裕がなくなると、自然と問いかけが始まるの。

「それで?」
「次は、どうする?」

がむしゃらに頑張る夫に妻が。落ち込んで思考が停止した両親へこどもたちが。

医療業界の闇

医療業界のめんどくささや、闇にも見える部分が取り上げられると思わなかった。
医者も人の命を救いたくて志しているはずなのにその気持ちを阻む部分。
闇というとどす黒いものを感じてしまうけれど、それに近いものを感じた。以前観た「月」の映画での感情がフラッシュバックし、心がざわつく。

宣政さんはここであきらめないんだよね。娘を救うことができない、とわかって気持ちは沈む。自暴自棄に陥った。
そんな時、よんちゃんの気持ちを知ることになる。
”思いを共有”して宣政さんの気持ちが固まった。

まだできることがある

与えられた命と残された人生を諦めない。
よりよく生きるには?私に何ができるのか?そんな問いをぶつけられている気がする。

この映画の時代は、私の知らない1970年代。
今はバルーンカテーテルをはじめ、さまざまな医療が発展して救われる命がある。
生まれてすぐに交換輸血をした私も、病気をした我が子も、時代が違ったら生きていないかもしれない。
歴史や運命は、時に残酷であり時に明るい未来をもたらす。

今の時代に生きる私ができることは何だろうか。
まだ、できることはある。
常に考えながら行動したいと思わされた。

人生経験

宣政さん一家はよんちゃんの病気によって、人生経験を積み、今を生きている。家族にかかわった周囲の人々も同じだ。

社員、研究医は対比して書かれていた。
社長の姿を見て、辞める選択をする社員と応援する古株の社員。
宣政さんの姿をみて鼓舞されたり諦めたりする研究医。

研究医は最終的にそれぞれの道で活躍していくのだけど。

主人公も多くの命が救われた喜びと、自分の娘は救えなかった複雑な思いの両面がある。


どんな運命でも、今の自分を糧にして土台をアップデートし、いかに進んでいくか。それが人生なのかな。



私の大人になってからの人生経験でいうと、流産経験は一つのターニングポイントだと思っている。どこか他人事であった出来事が目の前に起きた時、訳が分からなくなって。
けれどその時の思い、もしかしたら…と整え始めた食生活は、今の自分に確実に活きている。

そして、なんとなく話してはいけないものだと蓋をしていたこの経験を、子どもたちに伝えることができた。息子がきっかけを与えてくれてくれたんだよね。
「うちは6人家族だもんね!」と言ってくれ、私の心がまたアップデートされて。
さらに子供たちに伝えてから数年を経て、自然とここに書くことができている。

常に誰かの言動は、その周囲の誰かに何かしらの影響を与えている。
そこから行動できるかはまた別問題だけどね。


私はこの映画で与えられたものを、noteを通してあなたに伝えてみる。
確実に影響を与える!とは言えないけれど、何か考えるきっかけになればと思いながら公開のボタンを押します。
影響を与えられるか…って不安を感じている時間すら惜しいから。


「それで、次はどうする?」

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