《渾身》短歌 最近のやつ

始め

 どうも。みなさん、お元気ですか。
 僕は元気です。相変わらず、転職先が決まりません。でも自分に自信はあるので、いいのです。きっとそのうち見つかります。

 家にいる日が続いて、短歌を作れていませんでした。これではいけないと外に出ると、やはり発見はあるもので、いくつか歌ができたので記事にします。

平面のすべてがマウスパッドなりワイヤレスマウスを開通すれば   明日郎

 前置きとは違って申し訳ないが、これは家の中で作った歌である。
 この前、自分のパソコンを久しぶりに触った。僕はワイヤレスマウスを使っているのだが、パソコンを操作している自分を俯瞰すると、机でだけでなく、膝やモモの上でマウスを転がしていることに気がついた。それでこの歌ができた。我ながら、面白いと思う。
 ワイヤレスマウスを使っている諸君、室内にある平面は全てマウスパッドである。そう考えると、ワクワクしないか。

首元が赤く荒れたる警官とすれ違ひたり彼も人の子   明日郎

 これはそのままで意味がよくわかると思う。素直でいい歌なのではないか。
 警察官は、サイボーグのような、不気味さを秘めていると思う。その皮膚の下は機械になっていて、血なんて流れてないんじゃないかと思う。
 でもあの警察官は違った。首元が荒れていて、ああ、人間なんだな、僕らとおんなじ悩みを抱えてるんだな(肌の乾燥とか)、と思った。
 そんな歌である。でも彼以外の警察官はいまだに怖い。

席を取るために置かれたヘアゴムがいっぱいいっぱい君を演じる   明日郎

 カフェに行ったとき、先に席を確保してから、注文へ向かう。その時に悩むのが、何を自分の身代わりとして置いていくかということである。スマホ、財布、時計を置いていくのはアホであるから、大体無難なものを置いておく。鞄をそのまま置いておくのも、なんか怖い。冬には、マフラーや手袋が無難である。夏には、水筒などであろうか。
 カフェにきたその女性は、ヘアゴムを解いて、テーブルの真ん中に置いていた。程よい、と思った。本当は、ヘアゴムでは頼りないような気がする。忘れ物と間違われるかもしれないからだ。その可能性を、机の真ん中に置くことでギリギリ回避している。この歌は、そうして置かれたヘアゴムが、持ち主が注文の品と共に帰ってくるまで、精いっぱい存在感を演出する、そこにフォーカスしたものである。

暖色モードにスマホは変わる日の入りを社内で唯一知る者として   明日郎

 iPhoneには、設定した時間になると液晶を暖色っぽい色味に切り替えるという、目に優しいモードがある。Androidにはあるかわからない。
 離職中の僕がいうのもアレだが、社内で仕事していると、日の入りに気づかないものだ。そんな社内で唯一、スマホだけが、日の入りを感じている。そこにおかしさを覚えて、詠んだ。大袈裟かもしれないが、なんてディストピア、そう思った。

終わり

 今日はいつもと書き方を変えてみた。どっちが見易いんだろう。

 見返して思ったのは、今回の歌は、どれも渾身の作品であるということだ。かなりいいところをついていると思う。

 共感や、ご意見あったらお気軽にください。とても喜びます。

では。

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