校閲が、はじまります。

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 二ヶ月にわたる転職活動の結果、フリーの校閲者になることにしました。フリーとはいっても、それは雇用形態上そういうことになっているということです。会社の人間ではあるらしいので、仕事は毎日あるそうです。社会保険に自分で入らなくてはならないのが難点ですが、割り切りました。校閲という仕事に、正社員というのはなかなか少ないようです。ひとまず経験を積んで、今後のことは考えます。
 今回は今日あった面談(諸説明)の内容をざっくり書いてみます。

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 僕は未経験で校閲を始める身なので、初めは研修ということになりました。3月1日から、与えられた課題をこなしていきます。180ページくらいある校閲です。単行本として出版された本を文庫にするというシチュエーションです。これを4日を目安にやっておいで、とのことでした。わからないことだらけですが、やってやります。
 コロナがまだ多いので、3月は在宅でいいよと言われました。時間も自己申告で、お昼休憩の時間も含めていいとのことでした。ゆるいな、と思いましたが、信頼されているようで嬉しかったです。おおらかな社風なんだろうなと思いました。

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 僕はファッションが好きなので、服装について質問しました。短パンと草履でなければなんでも良いと言われました。草履とはサンダルですかと聞いたら、ああ、そうか、そうですと笑われました。
 少し服装の話が弾んで、僕が和装に下駄で高校へ登校した話をしました。大変面白がられました。するとモテたんじゃないですかと訊かれたので、記憶はありませんでしたが即席に、またそれなりにと応えました。
 すると代表取締役も、坊主頭に、素足で高下駄を履いて登校していたという話をしました。聞けば田舎の出身だそうで、雪が下駄の歯に挟まっても、構わず歩いていたとのことです。江戸時代の人間みたいで、また、笑いました。代表取締役はモテてなかったと言いました。
 今度は大学時代に僕が弓道部だった話になりました。それで、僕は和風の人ということになりました。
代表取締役も弓道をやってみたいとのことで、いろいろ質問されました。結局、かっこいいねという話になって、またモテたんじゃないですかと訊かれました。僕はまたそれなりにと応えました。
 

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 課題の説明を受ける時、ルビについてお話がありました。「ルビには『均等割付け』と『カタツキ』があります」と突然言われて、「カタツキ」ってなんだと思いました。しかし文脈から「肩付き」だろうなと思って話を聞いていたら、果たしてその通りでした。「(決して見下しているわけではなく)世の中にはこのように頭が回らない人もいるんだろうなあ」と考えていたら、話の2割ほどを聞き逃しました。相槌は打っていたようなので、話はそのまま進んでいきました。
 課題を受け取り、「では課題が終わった頃に」と、代表取締役と別れました。

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 さて、ここから、僕の校閲者としてのキャリアが始まります。長続きするか、すぐ終わってしまうかはわかりませんが、ずっと興味のあった仕事です。今はワクワクする気持ちが勝っています。
 はじめは下積みの、勉強の日々ですが、気づきなどをここで共有できたらなと思っています。
 また折角のフリーランスなので、短歌なり、noteなり、サイトを立ち上げるなりして、どこかで収益化できたらいいなと思っています。
 たまたまこの記事を見たあなたの文章添削とかも、もちろんやります。

 ということです。少し変わってる雰囲気で文章を書いてみました。読みづらかったでしょうか。
 そんなことがないように祈っていますが、念のため言っておきます。すぐ辞めたらすみません。まあ、みなさん、少し気にしていてくださったら嬉しいです。

最後に短歌です。前職でのお話です。

「すみません」を相槌のように言っておりこの俺は俺を脱ぎたくなりぬ
明日郎

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