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7/18放送分【あの時の映画館で感じた事を今】

生涯学習の一環で土曜の朝に放送されている「ひょうごラジオカレッジ」の感想とボート競技をからめたエッセイをつづっています。スタートして4年目。noteでも公開することにしました。過去分もアップ中。

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20/07/18 放送分
「映画・四方山話」
増井孝子 先生

 昭和30年頃、小学生だった私にも先生と同じ思い出があります。ワクワクしながら席に着き, 映写機のカタカタ音から始まる最初のシーンに目を見はりました。

正面だけが明るい館内で、途中で沸き起こる笑い声と拍手に同調し、場面が
変われば周りの人と同じようにすすり泣いている自分がいました。手書きで
力強い「完」の文字が映し出された後、白熱電球によってオレンジ色に浮かびだされた客席のおじさんやおばさんに、まるで家族のような思いを抱きました。

映画館なのに、野球やボクシングや相撲観戦のようなヒーローと客席の一体感があった時代でした。今それは日常の中に探してもなかなかありません。

私が「ボート感動エッセイ」を書こうと思ったのは、大阪城東区の映画館で観客たちと共有した感動体験のようなものを、ボートの青春の中に探し出したかったからです。

たった5年間の漕艇部経験。それは今もきれいにパッケージされて記憶の中に保管されています。中身は少年の時に映画館で感じた人との一体感に通じた記憶の塊です。

”赤い血の通った人と人が一体化した記憶の袋”を開けては、忘れ物を探し出したいのです。過去の記憶と青春時代のクルーとして味わった共通体験を頭の中でブレンドして、HAT神戸の海に再現したいのです。

人と人が、目標に向かって共通体験を持ち前進していくことの中にこそ、感動があることを想い出しました。

20/07/25
アストロケン

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HAT神戸ボートコース設立実行委員会で活動しています。


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