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【読書日記4】祝・直木賞!「ツミデミック」

昨日、第171回直木賞の発表がありました。
受賞作は、私が先日アップした記事に添付した画像の、左上の本です。


禍々しいほどの赤い背景に描かれた、横向きの菊の花。とても印象的な装丁です。

一穂ミチさん『ツミデミック』
直木賞受賞、おめでとうございます!

私が初めて一穂さんの作品を読んだのは、この掌編でした。

以前もnoteの記事に書いたと思いますが、心が揺さぶられた作品です。
今でも無料ダウンロードできますので、未読のかたはぜひ。

BL作家さんとして活動されていた一穂さんが一般文芸の世界に踊り出られ、2年連続で直木賞にノミネートされたことは皆さんご存じと思います。
『回転晩餐会』でファンになった私は、その2作品を持っております。

右が第165回候補作
左が第168回候補作


そのどちらも残念ながら受賞にはならず。

そして今回。
『ツミデミック』がノミネートされたことを知った私は、図書館で借りて読みました。
そして、強く確信したのです。
これは直木賞を獲るに違いない!
と。

当たりました。しかも、ダブルではない単独受賞です。まるで遠い親戚か何かのように嬉しいです。私が買わないほうがいいのかという疑問が一瞬心に浮かびましたが、気にしないことにします。

『ツミデミック』は、下記の短編を集めた作品です。

・違う鳥の羽
・ロマンス☆
・憐光
・特別縁故者
・祝福の歌
・さざなみドライブ

タイトルから皆さんが想像するストーリーとは、おそらくどれも大きく外れていると思います。
ネタバレは絶許の作品ですので深くは書きませんが、私が特に好きなのは2番目と4番目です。
いえ、好き、という言葉ではまとめられない感情です。

わあぁ(怖)
わあぁ(震)
わあぁ(怒)
わあぁ(不思議)
わあぁ(泣)
わあぁ(喜)
という感じでしょうか。

ここでこんな表現が使われるのか!というシーンがあったり、でもそれは決して唐突ではなく自然に心に沁みるものであったり。
それまでの作品で(失礼ながら)少し感じた力みのようなものが削ぎ落とされた、「言葉の力」でした。

6編それぞれの味わいがあり、「これは◯◯さんが好きそうだな」「これは△△さんの世界観に近いな」と、何人かのnoterさんのお名前が浮かびました。

ぜひ、いろんなnoterさんのご感想をうかがいたいと思います。

お待ちしています!


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