猫詐欺 (笑) に遭ったときのこと ⑥
賢明なる読者諸兄姉にはもう展開が読めていると思いますが、
予告された○日の前日になって、もはやお約束の Y さんからの追撃
きました。
「ご機嫌麗しゅう存じます。
猫のごはんの世話を、9月いっぱい延長させていただきたくお願い
申し上げます。
体調は良いのですが、母が大変心配しており、実家で静養することと
なりました。
猫たちは、仲良くしていますでしょうか?『■■ (隣県) に帰るときは
一緒に帰りましょうね』 と散々言い聞かせていたのに、猫には本当に
無責任なことをしました。10月1日には必ず以前のように世話をしたい
です。
貝子さんのおやさしさに甘えて大変ご迷惑、ご負担をおかけし、まことに
申し訳ありません。何卒よろしくお願い申し上げます」
麗しゅうないわーーーーー!!!
なんかもうこの人、永遠に戻ってこないつもりなんじゃないの?
いや別に、この人が戻ってこようがこまいがどうでもいいんだけど、
この時の私の頭は、
「猫たちをどうしよう?」
ということだけでいっぱいになっていました。
だって、2年半心をこめてお世話をしてきた猫たちでしたから。
当初はご近所から苦情を言われたりもしましたが、毎回丁寧に説明し、
必要な子には避妊手術を受けさせ、景観を常にきれいに保つことで、
いつのまにか誰からも文句なんかいわれないようになったというのに。
ただの濡れ衣・とばっちりによる事件のせいで、ろくな準備も根回しも
できないまま、そこから離れなければならなくなってしまうなんて。
毎朝晩もらっていたごはんをもらえなくなってしまったら、猫たちに
申し訳ない。
こんな思いを引きずっていたのがいけなかった。
いけないといわれたところで、どうしようもありませんでしたが。
もちろん、ここまで図々しいやるやる詐欺に唯々諾々と従うほど私も
アホではないので (バカではあるものの)、
◦ 猫ボラサークルには○日までしかお願いしていない
◦ もともと1週間ということで引き受けた
◦ 1ヶ月強で3万円を超える出費では、私の生活が立ちゆかなくなる
◦ 私がその付近に住んでいた頃とは状況が異なる
◦ 自宅で療育している猫たちにもかなりお金がかかる
◦ サークルの皆さんに無償奉仕を押しつけるわけにはいかない
◦ ごはん代や掃除や移動の手間を考えてほしい
◦ 延長したい日数のバイト代はあなたが負担してください
◦ あなたにも事情があるんだろうけど、私にも事情はある
ということを精一杯噛んで含めるように、多少の嫌味をまぶして
送ったんですが、当然無視。
すっっっっっっっごく、狡猾な人だったんですね、Y さんて人は。
無視してりゃ私がなんとかするだろうと見くびっていた。
自分が何か要求したい時だけ連絡をよこし、こちらから訊ねたことや
提案したことは華麗にスルーする。
まんまと私から、2ヶ月ちょっとで5万円強と精神力・思考力をごっそり
巻き上げてのけ、自分は何の負担もなしに都合のいい結果だけを得たの
ですから大したもんです。
その頃 (Y さんが理解不能すぎて相談した) 岩熊さんから言われた、
「コミュ障の人=弱者だと思っているでしょ?」
という言葉の意味を、きちんと飲みこめたのはだいぶ後になってからの
ことでした。
コミュ障というと、なんとなく純朴な人だと思ってしまいがちだけど、
「コミュ障」 と 「悪賢さ」 って別に矛盾しないんだ、と。
(つづく)
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