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キャリア自律を考える②

前回に続いて、キャリア自律を考えるオンラインセミナーの内容を紹介しつつ感想を書きたいと思います。講師であるリクルートマネージメントソリューションズの古野庸一氏は、キャリア自律に関しての大きな問題は「今の仕事が合わないこと」と「将来への不安」であるといいます。

今の仕事が合わない

キャリア自律を阻害する1つの要因が、会社からの期待・役割に適応しすぎて、自分に合わないことをやっているということがあります。今の仕事が合わないことを自覚しているケースもあれば、無自覚のこともあるようです。与えられた役割や責任に適応してがんばっていても、実はそれは自分に合わないことなので、バーンアウトの可能性があるという指摘がありました。

ちょっと、どきっとしませんか。自分に合わない仕事でも、仕事だから仕方がないと思ってやっていることはありませんか?会社から役割を与えられ期待されているのだから、自分に合わないなどと言ってはいけないと思っていませんか?

何かしらの方法でストレスを解消しながらやっているうちに、自分に合う仕事に移れたらよいのですが、仕事以外のストレスが加わったり、合わない仕事を長くやらざるを得ない状況が続いたら、体の調子がおかしくなっても不思議はありません。健康に悪いうえに、自分のキャリアに主体性を持っているとは言えません。

将来への不安

将来に対する漠然とした不安がある、または将来のことを考えていないというのも、キャリア自律の観点からは問題です。

将来に対する不安を自覚している人は、常に不安感情を抱きつつ日常生活を送ることになります。この状態は心の健康にとってよくありません。不安を言語化し、コントロールすることが有効とのことでした。

将来のことを考えていないというのも、キャリア自律を阻害します。不安感情はなく本人は悩んでいませんし一見問題なさそうですが、そうでもありません。「将来もその仕事があるか」「将来もその仕事ができるか」を考えてみて、将来はその仕事がなくなりそう、もしくはその仕事ができなくなるようであれば、今後の展望を考えないといけません。

キャリア自律には他者が必要不可欠

ここからは私の感想を中心に書きます。

キャリア自律には、他者が必要なんだと思います。自分ひとりでじっくり考えても、自分のことはなかなか理解できません。他者と対話をしたり活動を共にしたり、他者に自分がどう映っているのかを聞いて初めて理解できることがたくさんあります。将来を展望するにしても、自分の先を歩いている先輩を見て参考にすることもあるでしょう。

キャリア自律に必要な他者として、キャリアコンサルタントが役に立つこともあります。社会人向けのキャリアスクールに参加してみるというのも有効だと思います。

現在の勤務先に適応できるのは幸せなことです。それもひとつの才能ですし生き方です。しかし、組織から期待される役割が自分の生きる道だと思ってはいけませんね。それはとても狭いもので、自分の一部分、もしくは本来の自分はほかにあると考えるくらいがちょうどよいのだと思います。

今の仕事が合わず将来が不安という人も、今は不満はないし将来のことは考えていないという人も、キャリア自律、今日から少し考えてみませんか。



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