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HSPにおすすめする工夫と思考②

前回に引き続き、HSP気質のみなさんにおすすめしたい工夫と思考法をご紹介します。HSPは感度が高いためHSPではない人に比べて、さまざまな刺激を多く受け取っています。そのため刺激が多すぎる傾向があります。だれでも刺激が多すぎると疲れますよね。また、刺激が多過ぎると混乱してしまい、いつものパフォーマンスができなくなることがあります。刺激とのバランスの取り方や思考法など、HSPならではの工夫をおすすめします。

前回の「HSPにおすすめする工夫と思考①」では、
・休息の時間をたっぷり取る
・マルチタスクはやめましょう
・苦手な刺激を軽減しましょう
という内容を紹介しました。

今回は少し大きな視点での工夫や思考法について、HSPを初めて提唱したエレイン・アーロン博士の本『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するときーHSP気質と恋愛ー』で紹介されている内容を元に書いてみたいと思います。

HSPについての正しい情報を得る


5人のうち1人はHSPだといわれています。5人のうち1人という割合を考えるとそれほど珍しい存在ではないのですが、5人のうち4人の人たちが中心に社会がまわっているのも事実です。そんな社会では、HSPの繊細さ・繊細さはなかなか理解されませんし、ネガティブなものとされがちです。

私たちの社会では「いつも元気で、社交的で、決断力がある人」や「細かいことは気にせず、積極的に前に進んでいけるタフな人」が理想とされていないでしょうか。そのような見方に自分自身が染まらないように、HSPについての正しい情報・ポジティブな情報を得る必要があります。

HSPの人はありのままの自分ではダメだと思っていたり、世の中の価値観に合わせて無理をしたりしていることがあります。HSPは社会で起きていることや他者が思うことに敏感ですから、それを察知して、期待に応えようとしますから注意が必要です。ご自身の中にそのような思考はないでしょうか?社会に適応するためにHSPであることを隠して生活している人もいらっしゃると思います。

HSPには苦手なことがいろいろありますが、長所もたくさんあります。HSPの気質を理解していない人たちのネガティブな見方を中和するくらい、HSPついてのポジティブな情報を得るようにしましょう。


最適な刺激のレベルを保つ

刺激が多過ぎるのは最大のストレスです。刺激を避けることができればよいのですが、やむを得ず多過ぎてしまったら、あとで回復する時間をたっぷり取りましょう。

自分が気づいたことすべてに責任を感じて対応しようとしたら、どんな人でもキャパシティーオーバーになってしまいます。敏感さ・繊細さをだれのために使うのかを決めて、とっておきましょう。バランスが大切です。自分の大切な人や大事なこと以外には、それほど敏感にならなくてもいいのです。

しかし頭でわかってはいても、自分の敏感さ・繊細さを調節できず、無意識にそうしてしまうところが難しいのですよね!


敏感さの観点で過去と現在を捉えなおす(リフレーミングする)

リフレーミングとは、否定的に見ていたことを、別の見方をすることで肯定的な意味を見出すことです。過去、自信を失った出来事があれば、それが敏感さが原因で起きたものではなかったか、見直す必要があります

人は刺激がオーバーすると、ふだんはできることができなかったり、混乱しておかしなふるまいをしてしまうことがあります。自分がHSPであること(HSPかもしれないこと)を認識したうえで、過去を積極的にリフレーミングしましょう。過去の出来事でそのときは「失敗」だと思えたことでも、自分の心身を守るために適切に対処したのだとリフレーミングできるかもしれません。現在起きていることについても、同じ要領でリフレーミングしてみてください。

過去の出来事のうち、否定的な思いとともに繰り返し思い出されるものがあり、そのせいで自己肯定感が下がっているように感じているのであれば、ぜひその出来事をリフレーミングをしてみましょう。

今悩んでいることや「自分はダメだ」と思っていることについて、敏感さの観点からリフレーミングすると、「それほど悪くはないし、むしろなかなかうまくやれている!」と肯定的にとらえられることができるかもしれません。


いかがでしたでしょうか?

HSPにおすすめする工夫や思考法について、前回の記事とあわせて6つ紹介しました。どれもHSPである私自身が実践していて、腑に落ちるものばかりです。

最後に紹介した「敏感さの観点から過去やと現在をリフレーミングする」というのは、一人では否定的な方向に引っ張られてしまい、なかなかうまくいかないかもしれません。思い出してください。HSPはあらゆることを深く受け止める特性がありますので、他者からの批判はもちろんですが、自己批判(自分自身に対するネガティブな感情)も強く感じ取ってしまいます。実際にはそこまで悪くはない、もしくは全然悪くはないときも、です。ですから、肯定的な意味を見出すリフレーミングの作業は、HSPに理解がある人と一緒に取り組むと効果的だと思います。


参考:

エレイン・アーロン(著)、明橋大二(訳)『ひといちばい敏感なあなたが人を愛するときーHSP気質と恋愛ー』(青春出版社)2020



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